ジャパンテレビゲームチェーン協会

ジャパンテレビゲームチェーン協会（JAG）は、日本のゲームソフト販売業界において、初期に重要な役割を果たした団体です。ここでは、その設立から解散、そして業界再編への影響について詳しく解説します。

設立の背景

1983年に任天堂がファミリーコンピュータを発売すると、その人気は爆発的に広がり、日本各地で「ファミコンショップ」と呼ばれるゲームソフト販売店が次々と誕生しました。これらの店舗は、フランチャイズチェーンとして組織化される動きも見られ、1991年には複数のチェーンが任天堂に対し「ファミコン」の商標使用許可を申請し、正式なライセンス契約を結ぶに至りました。

このような背景のもと、任天堂とライセンス契約を結んだ主要なチェーン各社が中心となり、1992年4月にジャパンテレビゲームチェーン協会（JAG）が結成されました。

JAGの構成

JAGに加盟していたのは、以下に示す7つのチェーンです。

アクト（わんぱくこぞう/岡山市）
明響社（TVパニック/大阪府豊中市）
上昇（カメレオンクラブ/山口県下松市）
ブルート（広島市－1999年倒産）
ボックスグループ（ドキドキ冒険島/埼玉県浦和市）
SRGスタンバイ（モンキーランド/大阪市）
* コン太くん（福岡市）

これらのチェーンは、地域に根ざした店舗展開を行い、ファミリーコンピュータをはじめとするゲームソフトの販売を担っていました。

分裂と解散

しかし、JAGの結束は長くは続きませんでした。1994年12月にソニー・コンピュータエンタテインメントがプレイステーションを発売すると、その販売契約を巡ってチェーン間の対立が激化。各社の思惑が交錯し、1996年末にはJAGは空中分解という形で解散することになりました。

その後の業界再編

JAG解散後、加盟各チェーンは、テレビゲームソフトウェア流通協会（ARTS）とテレビゲームビジネス協議会という2つの新たな陣営に分かれました。これは、業界の勢力図が大きく塗り替えられるきっかけとなりました。JAGが果たした役割は終わりを告げましたが、その解散から約5年後の2002年2月、日本テレビゲーム商業組合が結成され、業界は新たな組織のもとで再出発することになりました。

JAGは短命な団体でしたが、ファミリーコンピュータの普及期におけるゲームソフト販売店の組織化、そしてその後の業界再編において、重要な役割を果たしたと言えるでしょう。

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