ジャボ

ジャボ（Jabot）

ジャボとは、近世のヨーロッパにおいて広く使われていた襞の付いた胸の装飾品を指します。特にレース素材で作られることが多く、服の袖口と合わせて装飾の役割を果たしました。現代での類似アイテムとしてネクタイがあり、ジャボには付け外しができるタイプや一体型のものも存在しています。ジャボは、立襟、詰襟、折襟のスーツや軍服の一部として用いられていましたが、スカーフや蝶ネクタイが流行することで、その姿を消しました。現在では主に社交界、王室、議会、法廷の弁護士の服装で見ることができます。

歴史的背景

ジャボは17世紀から19世紀にかけてヨーロッパの服飾の一部として重要な役割を果たしました。当初は男性用としてワイシャツに取り入れられ、その後、女性用のブラウスやジレ、ワンピースなどにも用いられるようになりました。特にブラウスには襞飾りが残されていることが多く、ジャボの名残を感じることができます。

ジャボという言葉はフランス語で『鳥の餌用の袋』を意味し、その形状がその名の由来とされています。英語では「ジャボット」と呼ばれることが一般的です。

ジャボを用いた服装

ジャボは、多様な服装のスタイルに合わせて用いられていました。以下のアイテムはジャボと共に着用されることが多かったです：

• - 帽子：二角帽子または三角帽子
• - 頭髪：かつら
• - スーツ：立襟、詰襟（アビと称される）
• - ベスト：ウェストコート
• - ワイシャツ
• - ネクタイ
• - ジャボ
• - スカーフ
• - ネッカチーフ
• - ボトムス：キュロットやブリーチズ
• - 靴下：絹製の白いハイソックス
• - 靴：特別な行事時には赤いヒール、普段はパンプス、散歩時にはブーツが用いられました。

著名な人物とフィクション

歴史上、ジャボを身につけた著名な人物には、アメリカの初代大統領ジョージ・ワシントンが含まれます。また、フィクションにおいても、ジャボは貴族的で上品なイメージを与えるため、時折貴族や王族、メイド、海賊などのキャラクターに描かれることがあります。特に、ゲーム『逆転裁判』のキャラクター・御剣怜侍は「ヒラヒラ」と称されるジャボを着用しています。

まとめ

ジャボは、その歴史的な背景やファッションにおける役割から重要な服飾の一部であり、時代を超えて魅力的なスタイルの象徴とも言えます。現在も特別な場面での使用が見られることから、クラシックなスタイルに憧れる人々にとっては、いまだに注目されるアイテムとなっています。

もう一度検索