ジャンプ (フィギュアスケート)

フィギュアスケートのジャンプ

フィギュアスケートにおけるジャンプは、選手の技量と演技の魅力を引き立てる不可欠な要素です。ジャンプの技術は、エッジの使用方法や踏切、空中での脚の動き、さらに回転数によって詳細に区分されます。基本的に、ジャンプの種類はその回転数に従って分類され、1回転を「シングル」、2回転を「ダブル」、3回転を「トリプル」、4回転を「クアドラプル」と呼びます。それぞれのジャンプ名の後にその種類を付け加え、たとえば「ダブルループ」や「4回転サルコウ」といった具体的な表現を使います。

ジャンプの回転方向についても重要なポイントがあります。上から見た場合、左回りを「正回転」、右回りを「逆回転」とし、これによって選手の踏切や着地の脚が反対になることが特長です。逆回転を行う選手は「逆回転ジャンパー」と呼ばれ、技術的な習得が難しいとされます。

ジャンプの種類

国際スケート連盟（ISU）によると、公式に認められているジャンプの種類は6つあります。

1. トウループ (Toe loop) - 最も基本的なジャンプで、主にコンビネーションジャンプの一部として使われます。過去にはトウを突いて後ろ向きに踏み切る技術が特長です。
2. サルコウ (Salchow) - 逆脚のバックインエッジを使って踏み切るエッジジャンプ。1900年代初頭にスウェーデンのウルリッヒ・サルコウによって始められました。
3. ループ (Loop) - トウを突かず、バックアウトエッジからの踏切によるエッジジャンプです。比較的難易度は中程度です。
4. フリップ (Flip) - バックインエッジから踏み切るトウジャンプで、特有の旋回運動を伴います。
5. ルッツ (Lutz) - アウトエッジで踏み切り、空中での回転方向が逆になるこのジャンプは難易度が高いです。1913年にオーストリアのアロイス・ルッツによって導入されました。
6. アクセル (Axel) - このジャンプは前向きで踏み切る唯一のジャンプで、回転数が他のジャンプよりも多く、最も高難度とされています。

各ジャンプの基礎点はISUの採点システムにより決められ、高難度ほど高い基礎点が設定されていますが、選手ごとの得意不得意も影響します。

ジャンプコンビネーションとジャンプシークエンス

ジャンプコンビネーションは、一つの着氷から次のジャンプにスムーズに移る技術を指します。選手は踏み切った足で再びジャンプを続けます。コンビネーションの基礎点は、ジャンプそれぞれの基礎点を加算したものになります。たとえば、「4T+3T」は、それぞれの基礎点を合計します。

これに対し、ジャンプシークエンスは異なるジャンプを連続で跳ぶもので、ホップなどの動作を伴いません。これにより、選手は多様なジャンプを組み合わせることができ、演技にリズム感が生まれます。

スロージャンプとその他のジャンプ

ペア競技で特に見ることができるスロージャンプは、男性選手が女性選手を投げ上げて行うため、より高く跳ぶことが可能ですが、その分危険を伴います。また、初心者が使用する初心者向けのジャンプ、バニーホップやワルツジャンプなど、多岐にわたる技術も存在します。

フィギュアスケートのジャンプは、選手の技術と演技の優雅さを示す重要な要素であり、それぞれのジャンプの特性を理解することが、スケートの魅力をより深く味わう鍵となります。

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