ジャン・パウル・ボエチウス

ジャン＝パウル・ボエチウス

ジャン＝パウル・ボエチウス（Jean-Paul Boëtius、1994年3月22日 - ）は、オランダ・ロッテルダム出身のプロサッカー選手。
現在はSVダルムシュタット98に所属し、主に両サイドのポジションでプレーしますが、トップ下でもその才能を発揮します。元サッカー選手のウルビー・エマヌエルソンの遠縁の甥にあたります。

経歴

ボエチウスは、ロッテルダムのヘネハウウェルラーン近隣のストリートでサッカーを始めました。幼い頃からその才能は際立っており、6歳の時にはプロクラブへの入団を勧められるほどでした。SBVエクセルシオール、スパルタ・ロッテルダムを経て、名門フェイエノールトのユースチームに入団。

アナス・アチャバール、カリム・レキク、テレンス・コンゴロ、カイル・エベシリオ、トニー・ヴィリェナといった同世代の選手たちと共に、フェイエノールトのユースカテゴリーを順調にステップアップしていきました。
しかし、17歳以下の欧州選手権出場を目前に、深刻な膝の怪我に見舞われ、チームの優勝をスタンドから見守るという苦渋を味わいました。また、同時期に同世代の選手たちがトップチームデビューを飾る中、自身はリハビリに専念せざるを得ませんでした。

怪我からの復帰後、2012年10月28日のアヤックス・アムステルダム戦でトップチームデビューを果たします。この試合で同点ゴールを決め、リカルド・ファン・ラインを圧倒する活躍を見せ、クーマン監督からトップチーム昇格を認められました。その後、2016年夏までの契約延長を結びました。

スタメンとして出場を続ける中で、2月10日のAZアルクマール戦では1ゴール1アシストを記録し、フットボール・インターナショナルの週間最優秀選手に選ばれました。ヨハン・デルクセンからは「クーン・ムーラインのようだ」と賞賛されるなど、その才能は高く評価されていました。

しかし、2013年4月に再び右膝半月板を損傷し、長期離脱を余儀なくされました。これにより、21歳以下欧州選手権への出場も逃すこととなりました。2013-2014シーズンには背番号を7に変更し、9月15日に復帰。徐々にコンディションを取り戻し、ゴールとアシストを量産しました。2014年3月5日には、フランスとの親善試合でオランダ代表デビューを果たし、ブラジルワールドカップのメンバー入りも期待されましたが、最終候補からは落選しました。

2014-2015シーズンは、フレッド・ルテン監督の下で当初はスタメンとして起用されていましたが、本来のプレーを発揮できず、次第に調子を落としてスタメンの座を失いました。契約延長を拒否し、2015年8月3日にFCバーゼルへ移籍。

FCバーゼルでは、当初こそレギュラーとして起用されたものの、フィジカルコンタクトの弱さやボールロストの多さが課題となり、徐々に出場機会を減らしました。2016-2017シーズン後半にはKRCヘンクにレンタル移籍し、アルベルト・スタイフェンベルフ監督の下で復活の兆しを見せました。

KRCヘンクへの完全移籍は実現しませんでしたが、2017年夏にフェイエノールトへ2年ぶりに復帰。3年契約を結びました。

2018年8月には、1.FSVマインツ05へ完全移籍し、2022年6月までの4年契約を締結しました。

2022年8月8日、ヘルタ・ベルリンと3年契約を結びましたが、同年9月に精巣がんの手術を受けました。さらにリンパ節への転移が見つかり、化学療法を行うこととなりました。

2024年1月21日、SVダルムシュタット98に加入しました。

プレースタイルと評価

スピード、テクニック、そして決定的なパスを送る視野の広さが持ち味です。
2013年3月には、ベルト・ファン・マルワイクから「現時点でオランダ最高のウィンガーだと思う」と賞賛されました。

ユース時代は主に右サイドでプレーしていましたが、フェイエノールトのトップチームでは左サイドで起用されることが多く、ルネ・ファン・デル・ハイプからは「彼は左足が全く使えない」と批判されることもありました。

タイトル

フェイエノールト

KNVBベーカー : 2017-18
ヨハン・クライフ・スハール : 2018

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