ジャン＝バティスト・ドルーエ (エルロン伯爵)

エルロン伯爵ジャン＝バティスト・ドルーエの生涯

エルロン伯爵ジャン＝バティスト・ドルーエ（Jean-Baptiste Drouet, Comte d'Erlon）は、1765年7月29日にフランスのランスで誕生しました。彼はナポレオン戦争での功績によって名を馳せた将軍であり、特にワーテルローの戦いでの活躍が知られています。晩年にはフランス元帥に昇進しました。

初期の経歴

ドルーエは1782年に義勇兵として軍に加わり、数年後に退役。しかし、1792年に再びフランス軍に入隊し、急速にキャリアを築いていきました。1794年から1796年の間はルフェーブル将軍の副官として軍事経験を積み、1799年には少将に昇進します。彼はスイス作戦にも参加し、さらに1800年のホーエンリンデンの戦いで負傷しながらも戦功を上げました。

第一帝政下での功績

ドルーエは1805年から1806年の戦役において、アウステルリッツの戦いに参加し、その後のイエナの戦いでの勝利にも貢献しました。ダンツィヒ攻囲戦では、ルフェーブル元帥を支える参謀長としての役割を果たし、1807年のフリートラントの戦いでは重傷を負ったものの、レジオンドヌール勲章を授与され、エルロン伯に叙せられました。

また、1809年のドナウ戦役では第7軍団を指揮した後、1810年からはスペインに派遣され、半島戦争でも軍団長として指揮を執りました。彼は多くの戦闘でその名声を確立し、特に1813年のマヤ峠の戦いではイギリス軍を撃破しました。しかし、1814年にナポレオンが退位すると、ドルーエも変転する政局に巻き込まれることとなります。

ワーテルローの戦い

ドルーエは1806年6月、ワーテルロー戦役で第1軍団を指揮する任務を与えられました。彼はカトル・ブラやリニーでの戦闘に参加しますが、命令の相違から退路を行き来することになり、勝機を逃しました。6月18日にはワーテルローの戦いが勃発し、ドルーエは全軍を持って連合軍の左翼を攻撃しましたが、明確な指示が欠けていたために半ば失敗しました。結局、側面を突かれて敗北し、戦局が不利に進展しました。

戦後の生活

ブルボン王家の復帰に伴い、ドルーエは銃殺の危機に直面し、バイロイトやミュンヘンへ亡命しました。彼は逃亡生活の中で仕事を持ち、醸造業やカフェを経営しましたが、1825年にシャルル10世から恩赦を受けて帰国します。その後は再び公職に就き、1832年にはナントの第12師団長となり、1834年にはフランス領アルジェリアの総督に任命されました。

1843年にはフランス元帥に昇進し、1844年1月25日にパリで生涯を閉じます。彼の名はエトワール凱旋門に刻まれ、フランスの軍事史における重要な人物として記憶されています。ドルーエの生涯は、ナポレオン戦争だけでなく、激動の時代における軍人の人生を物語るものです。

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