ジャン2世 (キプロス王)

ジャン2世（1418年5月16日 - 1458年7月28日）は、キプロス王、名目上のエルサレム王、キリキア・アルメニア王として、15世紀のキプロスを統治しました。彼は、先王ジャニュとシャルロット・ド・ブルボンの間に生まれた長男であり、その血筋から王位を継承しました。

生涯

王位に就く前、ジャン2世は名目上のアンティオキア公という称号を持っていました。彼の結婚生活は複雑で、1437年にモンフェッラート侯ジョヴァンニ・ジャコモの娘アメデーアと代理結婚をしましたが、アメデーアはキプロスに到着して間もなく急逝しました。その後、1442年にはモレアス専制公テオドロス2世の娘エレニと再婚し、二人の娘をもうけました。

シャルロット（1444年 - 1487年） - キプロス女王
クレオーファ（? - 1448年）

さらに、ジャン2世には愛妾マリエット・ド・パトラとの間に庶子の息子、ジャック2世がいました。このジャック2世の存在が、後の王位継承問題に大きな影響を与えることになります。

庶子ジャック2世

庶子であるジャックは、1456年にニコシア大司教に任命されましたが、その素行の悪さからすぐにその地位を剥奪されました。しかし、ジャン2世は後に彼を大司教に復位させました。このことは、ジャックが王位継承に関わる重要な人物であったことを示唆しています。

王妃エレニとジャックの関係は非常に険悪であり、二人はジャン2世に対する影響力をめぐって激しく争いました。1458年にエレニが亡くなると、ジャン2世はジャックを後継者にしようとしたようですが、その試みが実現する前に自身も亡くなりました。ジャン2世の死後、キプロスは後継者争いに巻き込まれ、その後の歴史に大きな影響を与えました。

ジャン2世の治世は、家族間の複雑な関係、特に王妃と庶子間の確執、そして後継者争いによって特徴づけられます。彼の死後、キプロス王位は娘のシャルロットへと引き継がれましたが、その後のキプロスの歴史は、彼が残した遺産と深く結びついています。

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