ジュニアそれいゆ

ジュニアそれいゆの歴史

ジュニアそれいゆは、日本のティーンエイジャーをターゲットにした雑誌で、1954年7月から1960年10月までの間に刊行されていました。この雑誌は、中原淳一の手により創刊され、34冊が発行されました。実は、この雑誌の前身として1953年に刊行された『それいゆ』のジュニア版があり、これは『ひまわり』という雑誌の後継として位置づけられていました。

創刊の背景

1947年から発行されていた少女向け雑誌『ひまわり』は、1952年12月に経営上の理由から廃刊となりました。その背景には、中原淳一の渡仏が原因で発行部数が減少したことがありました。『ひまわり』が無くなったことで、少女たちが夢を描いたり、自分を表現する場が失われることを懸念し、中原は新たな雑誌の必要性を感じました。

その結果として、ティーンエイジャーに向けた新雑誌『ジュニアそれいゆ』が、ひまわり社の変革の一環として、再び少女たちに夢や理想を提供することを目指しました。

コンセプト

雑誌のコンセプトは、「十代の生活に、夢とあこがれをこめ、新鮮で知性豊かないろどりをそえる」というもので、若者たちの心に響く内容が盛り込まれていました。特に、ファッションやインテリア、文学、小説、絵物語、手芸、美容など、多岐にわたるテーマで展開されました。この多様性は、読者の興味を引き、心に残る雑誌として支持を得る要因となりました。

読者参加型企画

毎年、読者から選ばれる「ミスター＆ミス・ジュニアそれいゆ」の企画は特に人気を博し、これに選ばれた若者たちは、しばしば芸能界や映画界への入口となることがありました。また、誌面で紹介される芸能人は、若い読者にとっての憧れとなり、一種のステイタスを形成する要因ともなりました。このように、ジュニアそれいゆは単なる雑誌ではなく、若者文化の一部となっていきました。

廃刊の理由

しかし、1960年夏、中原淳一は心臓発作によって入院することになり、そこで医師から5年間の安静と仕事の禁止を言い渡されることになります。この健康問題が直接のきっかけとなり、1960年10月号を最後に雑誌は廃刊となりました。ひまわり社の同時期には、『それいゆ』も廃刊となってしまいました。このようにして、ジュニアそれいゆは、短い歴史でありながら、数多くの若者に影響を与えた特別な存在になったのです。

参考文献

• - 中原淳一画集（講談社、1975年）
• - 別冊太陽 美しく生きる 中原淳一その美学と仕事（平凡社、1999年）
• - 没後20年 中原淳一展図録（朝日新聞社、2003年）
• - 中原淳一 少女雑誌「ひまわり」の時代（河出書房新社、2011年）

関連項目

• - ひまわり
• - それいゆ

このようにジュニアそれいゆは、経済的背景や文化的ニーズに応じた一大文化現象として、若者たちに様々な影響を与えたのでした。

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