ジュニーエ

ジュニーエ

ジュニーエ（アラビア語: جونيه、フランス語: Jounieh）は、レバノンのケセルワン＝ジュベイル県に位置する都市で、同県の県庁所在地でもあります。首都ベイルートから約16km北にあり、ベイルート都市圏に含まれています。この町は魅力的な海岸沿いのリゾート地として知られ、夜の生活やスーク（市場）、船着き場、さらにはパラグライダーのスポットとしても人気があります。また、ジュニーエにはハリッサのレバノンの聖母像へと至るゴンドラリフト（テレフェリク）が運行されており、観光客にとって特に魅力的です。さらに、ジュニーエとハリッサの間にある小丘、ブケルケにはマロン派の教会があり、美しいジュニーエ湾を一望することができます。

歴史

ジュニーエの歴史は古く、山岳レバノン県を支配していたダウード・バシャの時代から始まります。この時代、ジュニーエはブケルケなど他の町と陸路で接続されており、1867年から1868年にはガジルへの道路が開通しました。その後、ルストゥム・バシャの治下でベイルートに通じる橋が整備されました。

1876年にはジュニーエの店舗数は300を超え、絹工場や宿屋、製粉所、ジュース工場、氷工場、そして銀行も存在していたことが記録されています。また、1883年から1892年にかけてのワサ・バシャの時代には、北のバトゥロウンと陸路で結ばれ、1892年にベイルートと鉄道でつながりました。

1906年にはジュニーエの人口は2,400人、1914年には1,263人に減少しました。この時期、フランスとマロン派の支援によりジュニーエは正式な港として機能するようになりましたが、1913年以降の委任統治領時代に入り、行政機能がベイルートへ移転したことから経済活動が停滞しました。さらに、第一次世界大戦の勃発によって住民の多くがベイルートへ移住し、職人も失われたため、社会の発展が後退し、経済も低迷しました。

1932年には人口が1,286人にまで減少し、学校や小規模な工芸品の生産、柑橘類や砂糖黍、野菜のみが主な産業でした。1950年代になると地価は7 - 9レバノン・ポンド/m²でありましたが、1958年にフアード・シハーブが大統領に就任したことによって改革が始まり、次第に経済が改善され始めました。1959年には市内に銀行が新たに設立され、1965年には地価が25 - 35レバノン・ポンド/m²にまで上昇しました。1970年代初頭にはカジノを含む観光地としての発展を遂げ、銀行の数も増加しました。

しかし、1975年に勃発したレバノン内戦により都市は大きく分断され、多くの住民が他の街に避難せざるを得なくなりました。1980年から1990年にかけては、ベイルートから多数の商人がジュニーエへと移り住む傾向がありました。

2017年にはケセルワン＝ジュベイル県の県庁所在地に選ばれ、2025年までにレバノン全体の人口が600万人に達すると予測されています。それに伴って、ジュニーエはベイルートの郊外都市としての位置づけを強めていくことでしょう。

姉妹都市

• - モナコ
• - グスタビア（フランス）
• - ラスベガス（アメリカ合衆国）
• - リオデジャネイロ（ブラジル）

ジュニーエはその歴史的背景と文化的な価値から、訪れる人々にとって魅力的な目的地となっています。観光名所や自然景観はもちろん、レバノン特有の多様な文化を体験することができるでしょう。

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