ジュネーヴ諸条約第一追加議定書

ジュネーヴ諸条約第一追加議定書について

ジュネーヴ諸条約第一追加議定書（以下、議定書I）は、1977年6月8日に国連人道法外交会議で採択された、国際的な武力紛争における犠牲者の保護を目的とした国際条約です。正式名称は「1949年8月12日のジュネーヴ諸条約の国際的な武力紛争の犠牲者の保護に関する追加議定書」であり、1949年のジュネーヴ諸条約を補完する役割を担っています。

制定の背景

19世紀半ば以降、武力紛争における傷病者や捕虜などの犠牲者を保護するための条約が複数作成されてきました。第二次世界大戦後、これらの条約は1949年のジュネーヴ諸条約として集大成されました。しかし、その後、植民地独立の動きや軍事技術の発展などにより、武力紛争の形態が多様化しました。これに対応するため、内乱などの非国際的な武力紛争に適用されるジュネーヴ諸条約第二追加議定書（議定書II）と併せて、この議定書Iが作成されました。

成立と加盟

議定書Iは、1977年6月8日に国連人道法外交会議で採択され、同年12月12日に署名のため開放されました。1978年12月7日に効力が発生しています。

2007年1月18日現在、59カ国が署名し、167カ国が批准しています。

日本における批准

日本は2004年8月31日に議定書Iに加入し、2005年2月28日に発効しました。国会では「千九百四十九年八月十二日のジュネーヴ諸条約の国際的な武力紛争の犠牲者の保護に関する追加議定書（議定書I）の締結について承認を求めるの件」として両院を通過しました。

関連法案

議定書Iの締結に関連して、以下の国内法案が制定・改正されました。

武力攻撃事態等における捕虜などの取扱いに関する法律案
国際人道法の重大な違反行為の処罰に関する法律案
武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律案

議定書Iの意義

議定書Iは、国際的な武力紛争における犠牲者の保護を強化し、ジュネーヴ諸条約を現代の紛争状況に合わせて補完する重要な役割を果たしています。紛争当事者に対するより具体的な義務を定め、人道的な原則を徹底させることを目指しています。

関連項目

ジュネーヴ条約
ジュネーヴ諸条約の追加議定書 (1977年)
国際刑事裁判所の歴史

外部リンク

* 国際赤十字委員会資料「States party to the main treaties」（2007年1月18日付）


この議定書は、国際人道法における重要な文書の一つであり、武力紛争における人道的配慮を促進するための枠組みを提供しています。

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