ジュバイル (サウジアラビア)

ジュバイル：中東の工業都市

ジュバイルはサウジアラビアの東部に位置し、ペルシャ湾に面している都市です。ここは、サウジアラビア最大の工業都市であり、さらに中東地域でも最も重要な工業センターの一つです。世界的にも有名な工業都市とされ、多くの重要な工場や企業が点在しています。特に石油分野では、世界第4位の規模を誇るサウジアラビア基礎産業公社が重要な拠点を構えており、石油精製や化学製品の生産が盛んに行われています。

工業の発展

ジュバイルの経済は急速に成長しており、工業都市としての発展は1975年から始まりました。以前は小さな漁村に過ぎなかったジュバイルは、今日では巨大な工業団地へと変貌を遂げました。町には、石油精製所をはじめ、鉄鋼やポリエチレン、ポリエステルなどを生産する工場が立ち並び、さらに化学肥料の製造も行われています。

特に注目すべきは、ジュバイルに存在するIWPP（独立水・発電プロジェクト）です。これは、2743.6メガワットの発電能力を持ち、さらには1日で100万立方メートルの淡水を生産できる能力を有しています。このプラントは海水淡水化の分野で世界最大の規模を誇っており、ジュバイルの重要なインフラの一部となっています。

歴史と文化

ジュバイルの歴史は古く、人類の居住は7000年前にまで遡ります。しかし、現在のジュバイルの町の形成は、18世紀から19世紀にかけて、Albuainain家やAlkhaldi家、Aalkhater家などの家族によって進められてきました。1933年には、地質学者のチームがこの地で初めて油田探査を行い、以降、この地域の工業発展が加速することとなりました。

1970年代に入ると、ジュバイルプロジェクトが始まり、30年以上にわたり大規模な開発が続けられています。2004年には、ジュバイルとヤンブー王立委員会によって新しい工業・住宅地区の拡張に向けた計画が進められ、ジュバイル工業都市はさらなる発展を遂げることとなりました。

交通とインフラ

ジュバイルは、他の都市と接続するための交通インフラも充実しています。主要な高速道路であるダーラン・ジュバイル高速道路とAbu Hadriyah高速道路により、スムーズなアクセスが確保されています。また、ジュバイルからカスィーム州のブライダへの距離が短縮される新しいジュバイル・カスィーム高速道路が建設中であり、ますます利便性が高まっています。

加えて、ジュバイルには商業港としてのジュバイル港とキングファハド工業港が存在し、2011年には44700トンの貨物を取り扱う能力を持つことが確認されています。これにより、国際的な貿易の拠点としても機能しています。また、ジュバイル空港は海軍の航空基地となっており、近隣のダンマンに所在のキング・ファハド国際空港とは異なる役割を果たしています。

このように、ジュバイルは短期間での急速な発展を遂げた工業都市であり、多様な産業の集積地として、今後もさらなる成長が期待されています。

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