ジュリエッタ・マシーナ

ジュリエッタ・マシーナ - イタリア映画界の巨星

ジュリエッタ・マシーナ（本名：Giulia Anna Masina）は、1921年2月22日にイタリアのボローニャで生まれ、1994年3月23日に亡くなった女優です。彼女はその特異な魅力と演技力で、イタリア映画史に名を刻んでいます。

略歴

マシーナは大学教授の娘として育ち、当初は文学を学ぶため大学へ進学しましたが、演劇に興味を持ち、ローマ大学で演技を学びます。大学卒業後の1943年、ラジオドラマに出演していた際に紀切脚本家のフェデリコ・フェリーニと出会い、彼と恋に落ちて同年中に結婚しました。1945年には息子が誕生しますが、残念ながら生後1か月で病気により亡くなりました。

マシーナの映画キャリアは、ロベルト・ロッセリーニ監督の『戦火のかなた』での初出演から始まります。その後、多くの映画に出演しましたが、中でも彼女の名演技が光ったのはフェリーニ作品です。特に『道』では知的障害を抱えた女性大道芸人ジェルソミーナ役を演じ、観客の心をつかみました。また、映画『カビリアの夜』では娼婦カビリアを演じ、その内面的な苦悩を見事に表現しました。

特徴と影響

マシーナは、決して美人とは言えない容姿でしたが、その小柄で愛嬌のある顔立ち、大きな目は彼女の個性として強く印象に残ります。映画においては、特に弱い立場の女性を繊細に描写し、その内面に迫る演技が高く評価されました。1957年には『カビリアの夜』でカンヌ国際映画祭女優賞を受賞し、国際的な名声を得ています。

1970年代以降は映画への出演は減少し、時折テレビ映画に出る程度でしたが、1980年代には『ジンジャーとフレッド』でマルチェロ・マストロヤンニと20年ぶりの共演を果たし、再び観客を楽しませました。

私生活と晩年

マシーナはフェリーニと共に過ごした長い年月、特に彼らの金婚式を迎えた1993年は特別な年でした。しかし、その年にフェリーニが病死し、彼女は深い悲しみに包まれます。マシーナ自身は、フェリーニの死からわずか5か月後に肺癌でこの世を去りました。

主な出演作品

• - 『戦火のかなた』 Paisà (1946)
• - 『寄席の脚光』 Luci del varietà (1950)
• - 『ヨーロッパ一九五一年』 Europa '51 (1952)
• - 『道』 La Strada (1954)
• - 『崖』 Il Bidone (1955)
• - 『カビリアの夜』 Le Notti di Cabiria (1957)
• - 『街の中の地獄』 Nella città l'inferno (1959)
• - 『女』 Jons und Erdme (1959)
• - 『魂のジュリエッタ』 Giulietta degli spiriti (1965)
• - 『シャイヨの伯爵夫人』 The Madwoman of Chaillot (1969)
• - 『ジンジャーとフレッド』 Ginger e Fred (1985)
• - 『木洩れ日』 Aujourd'hui peut-être... (1991)

マシーナは彼女の独特な演技と人間への深い理解を通じて、今なお多くの人々に愛され続けています。

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