ジョアニー＝フィリップ・ラグルーラ

ジョアニー＝フィリップ・ラグルーラ（Joanny-Philippe Lagrula、1870年 - 1941年）は、フランスの天文学者であり、その業績は多岐にわたります。彼は、しばしば"Philippe Lagrula"とも表記されます。

ラグルーラは、1901年にリヨン大学で学位を取得しました。その際、彼は自身の論文で、月によるプレアデス星団の掩蔽現象を利用し、理論的に予測される月の位置と、実際に観測される月の位置とが一致していることを精密に測定しました。この研究は、当時の天文学において重要な貢献となりました。

彼のキャリアは、リヨン天文台での研究から始まりました。その後、1906年8月1日にはキト天文台長に就任し、数年間その職を務めました。キト天文台での活動後、彼はニース天文台に移り、1924年末まで観測に従事しました。その後、彼はアルジェ天文台に移籍し、1931年から1938年までの間、引退したフランソワ・ゴネシアの後任としてアルジェ天文台長を務めました。特筆すべきは、リヨン、キト、アルジェの各天文台で要職を歴任した彼のキャリアが、ゴネシアのそれと非常に類似している点です。

アルジェ天文台では、ジャン＝ルイス・ラグルーラという人物が同僚として勤務していましたが、この人物はラグルーラの息子である可能性が指摘されています。家族関係については詳細な記録が残っていないため、確かなことは不明です。

ラグルーラは、1914年に小惑星リュミエールを発見したことでも知られています。これは、彼が生涯で唯一発見した小惑星です。また、彼の功績を称え、1937年にアルジェ天文台の同僚であるルイ・ボワイエが発見した小惑星は、「ラグルーラ」と命名されました。彼の名前が後世に残る形で、天文学の世界に貢献した証と言えるでしょう。

ジョアニー＝フィリップ・ラグルーラの生涯は、観測天文学の発展に尽力したものでした。彼の研究は、月や小惑星の観測精度の向上に寄与し、後世の天文学者たちに大きな影響を与えました。

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