ジョイ・ベルトラム

ジョーイ・ベルトラム（Joey Beltram、1971年11月6日生まれ）は、ニューヨーク出身のアメリカ人テクノミュージシャン、DJ、そして音楽プロデューサーとして知られています。彼は、デトロイト・テクノを数多くリリースするドイツのトレゾアなどのレーベルを中心にアルバムを発表し、その才能を開花させました。1999年には、自身のレーベル「STXレコード (STX Records)」を立ち上げ、独自の音楽を発信し続けています。

生い立ちと初期の音楽体験

ベルトラムは、ニューヨーク市クイーンズ区で、メキシコ人の父親とイタリア人の母親の間に生まれました。決して裕福とは言えない家庭環境の中で育ち、幼少期には「Poes」というニックネームで、ニューヨークのストリートでエアロゾールアートを描いたり、地下鉄サーフィンをして過ごしていました。これらの経験が、彼のクリエイティブな人生に大きな影響を与えたと語っています。

12歳の時、初めてターンテーブルを手に入れ、当初は高速なエレクトロやヒップホップを好んでプレイしていましたが、間もなくシカゴ・ハウスに傾倒していきました。この頃から、彼は音楽の道を志すようになります。

ミュージシャンとしての躍進

音楽活動を始めた頃は、デトロイト・テクノやシカゴ・ハウスから強い影響を受けた音楽を制作していました。1991年にリリースした「Energy Flash」は、世界中のテクノシーンで大きな話題となり、彼の名を一躍有名にしました。また、シングル「Mentasm」は、1990年代初頭のレイヴ・カルチャーにおいて、頻繁にプレイされた楽曲の一つとして知られています。

「Mentasm」は、1989年にリリースされたベルギーのRhythm Deviceによる楽曲「Acid Rock」と、1990年にリリースされたThe Projectによる楽曲「Do That Dance」（R&Sレコーズ）からインスピレーションを受けて制作されました。これらの楽曲から影響を受けつつも、独自のサウンドを確立し、テクノシーンに新たな風を吹き込みました。

ディスコグラフィー

ジョーイ・ベルトラムは、数多くのアルバムとシングルをリリースしています。

スタジオ・アルバム

Dance Generator (1993年)
Aonox (1994年)
Places (1995年)
Joey Beltram Presents Geoffrey Mack (1998年)
The Rising Sun (2004年)

コンピレーション・アルバム

クラシックス - Classics (1996年)
The Sound of 2AM (1999年)

主なシングル

"Energy Flash" (1990年)
"Mentasm" (1991年) ※Second Phase名義
"Cop Car" (1994年)
"Caliber" (1994年) ※全英96位
"Game Form" (1995年)

ジョーイ・ベルトラムは、テクノシーンのパイオニアの一人として、その音楽は今もなお多くの人々に影響を与え続けています。

もう一度検索