ジョゴルク・ケネシ

キルギス共和国の立法府：ジョゴルク・ケネシ

ジョゴルク・ケネシ（キルギス語: Жогорку Кеңеш）は、キルギス共和国の立法府です。一院制で、現在90議席から構成されています。議員の任期は5年で、小選挙区比例代表並立制によって選出されます。

ジョゴルク・ケネシの歴史

キルギスがソビエト連邦から独立した1991年から2007年までは、二院制の議会（国会）が設置されていました。上院にあたる「Myizam Chygaruu Jyiyny」（立法府）は60議席、下院にあたる「El Okuldor Jyiyny」（人民代表議会）は45議席で構成されていました。両院とも任期は5年でした。下院議員は各選挙区から1名ずつ選出され、上院議員は選挙区から45名、政党名簿から15名が選出されていました。

2007年の国民投票による憲法改正により、両院は統合され、ジョゴルク・ケネシという一院制の議会となりました。当初は議席数は90でしたが、2010年の大規模な騒乱とクルマンベク・バキエフ大統領の追放後、憲法改正により120議席に増加しました。同時に、一つの政党が獲得できる議席数の上限を65に制限する規定も設けられました。しかし、2021年5月に発効した憲法改正により、議席数は再び90に戻っています。

ジョゴルク・ケネシの選挙

ジョゴルク・ケネシの選挙は、キルギスの政治情勢を反映する重要なイベントです。これまでに行われた主要な選挙について見ていきましょう。

2005年選挙: 2月と3月に二段階で行われた選挙では、75議席の立法府に400名以上の候補者が立候補しました。野党が6議席を獲得しましたが、公式発表では全議席が無所属とされました。選挙の不正を指摘する声が上がり、大規模な抗議行動の後、アカエフ大統領は国外に逃亡し、政権は崩壊しました。
2007年選挙: バキエフ政権下で行われた選挙では、選挙制度が小選挙区制から比例代表制に変更されました。同時に、「有権者数の5％以上の得票を得られなかった政党」や「全国9つの選挙区のうち1つでも有権者の0.5％を下回る得票となった政党」は議席を得られないという条項が導入されました。この条項は、野党を排除するための手段として批判されました。
2010年選挙: オトゥンバエワ暫定政権下で行われた選挙では、120議席全てが比例代表制で争われました。5％条項と0.5％条項の適用により、有力と目されていた政党が議席を獲得できない結果となりました。
2015年選挙: アルマズベク・アタンバエフ大統領の与党であるキルギス社会民主党が第一党となりました。選挙前に連合を組んだ野党勢力は議席を大幅に減らし、国会における政党勢力図は大きく変化しました。

選挙制度と政党政治

キルギスの選挙制度は、歴史的に大きな変化を遂げてきました。小選挙区制から比例代表制への移行、5％条項や0.5％条項といった閾値の導入、そして議席数の変動は、キルギスの政党政治に大きな影響を与え続けています。それぞれの選挙で、政党間の勢力争いや、選挙制度の是非をめぐる議論が繰り広げられてきました。これらの選挙の結果は、キルギスの政治安定と民主化の進展に重要な意味を持つと言えるでしょう。

今後の展望

ジョゴルク・ケネシは、キルギスの政治において中心的な役割を担っています。今後の選挙や憲法改正、そしてキルギスの政治情勢の変動が、ジョゴルク・ケネシの役割と構成にどのような影響を与えるのか注目されます。

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