ジョセフィーン郡 (オレゴン州)

ジョセフィーン郡：歴史と自然が織りなすオレゴンの一角

ジョセフィーン郡は、アメリカ合衆国オレゴン州南西部に位置する郡で、その名称は、この地を流れるジョセフィーン川に由来します。さらに遡ると、この川の名前は、この地域に最初に入植した女性、バージニア・ジョセフィーン・ロリンズ・オートにちなんで名付けられました。郡庁所在地はグランツパスです。

経済の変遷

ジョセフィーン郡の経済は、オレゴン準州時代には金鉱業が中心でした。ローグ渓谷とイリノイ渓谷を中心に金鉱が栄えましたが、1850年代末には衰退し、人口も減少しました。1859年にブリティッシュコロンビア州で金が発見されると、多くの人々がこの地を離れました。

近年では、ワイン用ブドウ栽培が盛んで、ローグバレーAVAとアップルゲートバレーAVAという二つの重要なワイン産地があります。また、連邦政府が広大な土地を所有しており、その大部分はオレゴン・カリフォルニア鉄道の周辺に位置しています。さらに、アメリカ合衆国林野局も郡内の多くの土地を管理しています。

グランツパスは、ローグ川での釣りやボート遊びなど、アウトドアレクリエーションの拠点となっています。イリノイ川もローグ川の支流として、その美しい景観が人々を魅了しています。

地理と自然

ジョセフィーン郡は、総面積4,250平方キロメートルを誇り、その大部分が陸地です。水域率はわずか0.12%です。周囲をカリー郡、ジャクソン郡、ダグラス郡、デルノルト郡、シスキュー郡に囲まれています。国立保護地域としては、オレゴンケーブス国定公園やローグ川＝シスキュー国有林の一部が含まれています。

人口統計

2000年の国勢調査によると、郡の人口は75,726人で、世帯数は31,000でした。人口密度は1平方キロメートルあたり約18人でした。人種構成は、白人が大多数を占め、その他アジア系、アフリカ系アメリカ人、先住民などが居住しています。また、住民の多くは英語を第一言語としていますが、スペイン語を話す人もいます。世帯構成は、夫婦とその子供がいる世帯が中心ですが、単身者や高齢者の世帯も多く存在します。世帯収入の中央値は31,229米ドル、家族収入の中央値は36,894米ドルです。貧困率は、全人口の15%に及びます。

歴史的背景

ジョセフィーン郡の歴史は、1852年にセイラーディギングスでの金鉱発見に始まり、ゴールドラッシュが起こりました。1851年には、イリノイ川で南オレゴン初の金が発見され、その探鉱グループの中にいたフロイド・ロリンズの娘、ジョセフィーン・ロリンズ・オートの名前が郡名となりました。

1856年にジャクソン郡から分離して設立され、当初の郡庁はセイラーディギングスに置かれました。その後、郡庁はカービーを経て、1886年にグランツパスに移転しました。1920年代には観光事業が盛んになり、グランツパス・ケーブメンという後援会が設立され、様々なイベントを主催しました。

鉄道の開通は1883年で、ポートランドからの直通列車がグランツパスに到着しました。自動車輸送は1914年に始まり、以前は24時間かかっていた輸送時間が大幅に短縮されました。初期の交通手段としては、荷馬や荷馬車、駅馬車が利用されていました。

少数民族と文化

ジョセフィーン郡の設立以前には、この地にアメリカインディアンの部族が住んでいましたが、ローグ川インディアン戦争終結後に強制移住させられました。また、中国人移民も多く、金鉱採掘に従事していましたが、不当な扱いを受けていました。

図書館の歴史

2007年には、財政難のために郡の図書館が全て閉鎖されましたが、地域住民の努力によって、2008年から2009年にかけて再開しました。ジョセフィーン・コミュニティ・ライブラリーズ社が運営する非営利の図書館システムは、地域住民の寄付によって支えられています。

政治と選挙

ジョセフィーン郡は、オレゴン州の中でも共和党の支持率が高い地域です。1964年の大統領選挙では、バリー・ゴールドウォーターを支持した数少ない郡の一つでした。近年では、民主党支持に傾きつつありますが、依然として共和党が優勢です。

コミュニティ

郡内には、ケーブジャンクションとグランツパスの二つの市があります。また、非法人共同体や国勢調査指定地域も存在します。

結論

ジョセフィーン郡は、その豊かな歴史、多様な経済、美しい自然、そして地域住民の熱意によって特徴づけられる場所です。金鉱業から始まったこの地は、時代とともに変化を遂げながらも、その独自の魅力を保ち続けています。

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