ジョゼ・サルネイ

ジョゼ・サルネイ（José Ribamar Ferreira de Araújo Costa, 1930年4月24日生まれ）は、ブラジルの政治家、詩人であり、かつてブラジル連邦共和国の大統領を務めました。彼はブラジル文学協会の会員でもあります。

マラニョン州出身のサルネイは、軍事政権時代にはブラジル民主運動党に所属していました。1985年の大統領選挙では、民主社会党から副大統領候補として立候補しました。しかし、大統領に選出されたタンクレード・ネーヴェスが就任式前夜に病気で緊急入院し、サルネイが急遽大統領代行を務めることになりました。ネーヴェスは5週間後に亡くなり、サルネイがそのまま大統領に就任しました。

大統領就任後、サルネイは新憲法を立案するための議会を召集する総選挙を実施しました。18ヶ月の審議を経て、新憲法が発布されました。この新憲法は、ブラジルの民主化を大きく進めるものとして評価されています。

しかし、サルネイの経済政策は成功したとは言えませんでした。累積債務対策と経済再建策は失敗し、1987年2月には中長期債務の利払い中止を宣言したことで、国際的な信用を失いました。1989年1月には再びインフレーション抑制策を発表しましたが、これも失敗に終わりました。そのため、サルネイは大統領として不人気でした。

サルネイの時代は、ブラジルの民主化が進む一方で、経済的な苦境が続いた時代として記憶されています。彼の政策は批判されることも多いですが、新憲法制定に貢献したことは、歴史的な功績として評価されています。

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