ジョゼ1世 (ポルトガル王)

ジョゼ1世：激動の時代を駆け抜けたポルトガルの「改革王」

ジョゼ1世（1714年 - 1777年）は、ポルトガル王国のブラガンサ王朝の国王として、1750年から1777年まで在位しました。その治世は、セバスティアン・デ・カルヴァーリョ、後のポンバル侯爵による大胆な改革と、リスボン大地震からの復興という激動の時代でした。

生涯

ジョゼ1世は、ジョアン5世とマリア・アナの息子として生まれました。兄の早世により王太子となり、スペイン王フェリペ5世の王女マリアナ・ビクトリアと結婚。しかし、ジョゼ1世自身は政治よりも教会やオペラ、狩猟を好みました。

1750年に父王の崩御により王位を継承すると、ジョゼ1世は国政のほとんどをポンバル侯爵に委ねました。ポンバル侯爵は、経済・社会・植民地政策において辣腕を振るい、ポルトガルの地位向上に貢献しました。1758年にはジョゼ1世の暗殺未遂事件が発生し、ポンバル侯爵はこれを機に貴族勢力を排除、さらに1759年にはイエズス会をポルトガルから追放し、その財産と教育支配権を奪いました。

リスボン大地震と復興

ジョゼ1世の治世における最大の出来事は、1755年に発生したリスボン大地震でした。この地震により、首都リスボンは壊滅的な被害を受け、数万人の犠牲者が出ました。ジョゼ1世自身も大きな精神的ショックを受け、閉所恐怖症になったと言われています。

しかし、ポンバル侯爵の指揮の下、リスボンは巨額の予算を投じて再建されました。新しいリスボンの中心にはジョゼ1世の騎馬像が建てられ、その復興はジョゼ1世の治世の象徴となりました。

業績と評価

ジョゼ1世の治世は、ポンバル侯爵による改革とリスボン復興によって特徴づけられます。ポンバル侯爵の政策は、ポルトガルの近代化に大きく貢献しましたが、その独裁的な手法は批判も浴びました。ジョゼ1世自身は、政治への関心は薄かったものの、ポンバル侯爵を信任し、その改革を支えました。

1777年、ジョゼ1世は崩御し、王位は長女マリア1世と弟ペドロ3世の夫妻が継承しました。マリア1世はポンバル侯爵を罷免し、その独裁政治は終焉を迎えました。

子女

ジョゼ1世は、マリアナ・ビクトリアとの間に4人の娘をもうけました。

マリア・フランシスカ（後のマリア1世）
マリア・アナ・フランシスカ
マリア・ドロテア
マリア・フランシスカ・ベネディタ

ジョゼ1世の治世は、ポルトガルにとって激動の時代であり、その功績と評価は今日でも議論されています。しかし、その時代を「改革王」として生きたことは、歴史に深く刻まれています。

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