ジョニー・エブレン

ジョニー・エブレン（Johnny Eblen）は、1991年12月13日生まれ、アメリカ合衆国アイオワ州デモイン出身の男性総合格闘家です。名門アメリカン・トップチームに所属し、現在Bellator世界ミドル級の頂点に君臨しています。

若きレスリングキャリアと困難

韓国人の母とアメリカ人の父の間に生まれたエブレンは、幼い頃からレスリングに打ち込みました。パークヒル高校時代にはミズーリ州王者となり、その才能を開花させます。ミズーリ大学に進学後も、2015年にはNCAA予選を突破するなど輝かしい成績を残しましたが、その後は度重なる怪我に悩まされ、競技キャリアにおいて苦しい時期を過ごしました。

総合格闘技への転身

大学を卒業したエブレンは、一旦は競技の第一線から離れ、舗装会社で働きながらレスリングの指導者として活動していました。しかし、アメリカン・トップチームのコーチであるスティーブ・モッコとのレスリング練習が転機となります。モッコからの誘いを受け、エブレンはフロリダにあるアメリカン・トップチームに加入。ここで総合格闘技への本格的な道を歩み始めます。アマチュア総合格闘技では3戦全勝という完璧な成績を残し、2017年にプロとしてデビューを果たしました。

Bellatorでの躍進と王座獲得

プロキャリアを積み重ねたエブレンは、2019年3月22日のBellator 218でBellator初参戦。チャウンシー・フォックスワースを相手に判定勝利を収め、白星でプロモーションデビューを飾ります。その後もBellatorのケージで連勝を重ね、2022年3月12日にはBellator 276でランキング1位のジョン・ソルターに判定勝ちするなど、タイトル挑戦への道を切り開いていきました。

そして2022年6月24日、Bellator 282で行われたBellator世界ミドル級タイトルマッチで、絶対王者と目されていたゲガール・ムサシに挑戦します。試合ではレスリングと打撃を組み合わせ、全局面でムサシを圧倒。5ラウンド判定の末、3-0で勝利し、見事Bellator世界ミドル級王座を獲得しました。この勝利により、エブレンのプロキャリア無敗記録は12に伸びました。

王者としての防衛ロード

王座戴冠後もエブレンの快進撃は続きます。2023年2月4日のBellator 290では、ランキング3位のアナトリー・トコフを挑戦者に迎えての初防衛戦に臨み、再び5ラウンド判定で勝利し王座を防衛。さらに同年9月23日のBellator 299では、ランキング1位のファビアン・エドワーズと対戦。この試合では得意の右フックでエドワーズからダウンを奪い、追撃のパウンドによる3ラウンドKO勝利を収め、2度目の王座防衛に成功しました。試合後には、ファビアンの兄でありUFC世界ウェルター級王者であるレオン・エドワーズとの間で一時的に口論となる場面もありました。

PFLとの対抗戦

Bellatorは2023年にPFLに買収され、2024年には両団体による共同開催イベントが実現しました。2024年2月24日に行われたPFL vs. Bellatorのイベントで、エブレンはPFLライトヘビー級トーナメント2023王者のインパ・カサンガナイと、両団体の現王者による対抗戦に臨みます。本来の階級よりも重い相手との対戦となりましたが、エブレンは粘り強く戦い、2-1の僅差の判定ながら勝利を収めました。この試合のために特別に用意された「スーパーベルト」を獲得し、無敗の王者としての存在感を改めて示しました。

現在も無敗記録を更新し続けるジョニー・エブレンは、Bellatorミドル級の絶対王者として君臨しており、今後のキャリアにも注目が集まっています。

獲得タイトル

プロ総合格闘技
第8代Bellator世界ミドル級王座（2022年）
アマチュア総合格闘技
AFC230ポンド王座（2016年）

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