ジョリーン

「ジョリーン」(Jolene)は、アメリカを代表するカントリーミュージックのシンガーソングライター、ドリー・パートンによって生み出された不朽の名曲です。この楽曲は、まずシングルとして発表された後、1974年にリリースされた同名のスタジオアルバムに収録されました。恋敵である美しい女性「ジョリーン」に対し、自分の夫を奪わないでほしいと切実に訴えかける歌詞と、一度聴いたら忘れられない印象的なメロディは、多くの人々の心に深く刻まれています。

楽曲の音楽的な評価も非常に高く、権威ある音楽誌『ローリング・ストーン』が選定する「オールタイム・グレイテスト・ソング500」の2021年版において、堂々の63位にランクインしています。これは、世代やジャンルを超えて「ジョリーン」が音楽史において重要な位置を占めていることの証と言えるでしょう。

この名曲は、多くのアーティストによってカバーされていますが、中でも特に広く知られ、高い評価を得ているのが、オーストラリア出身の世界的ポップスター、オリビア・ニュートン＝ジョンによるバージョンです。彼女のカバーは、1976年に発表された8枚目のスタジオアルバム『水のなかの妖精』(Come on Over)に収められました。このカバーバージョンは、アルバムからのシングルとしても、オーストラリア及び日本で発売されました。

オリビア・ニュートン＝ジョンの「ジョリーン」は、シングルとしてもヒットを記録しました。オーストラリアでは全豪チャートで最高29位に達し、日本ではオリコン総合チャートで最高11位を記録するなど、商業的な成功を収めました。オリビアの澄んだ歌声とこの楽曲の哀愁漂うメロディが見事に融合し、新たな魅力を引き出しています。

特に日本においては、このオリビアによるカバーバージョンが非常に人気が高く、彼女の日本における代表曲の一つとして、長年にわたりファンに愛され続けています。その人気のほどは、日本独自企画で発売されたベストアルバム『40/40〜ベスト・セレクション』に際して行われたファン投票において、並み居る名曲群の中から5位にランクインしたことからも明らかです。

さらに時を経て、2023年には、オリビア・ニュートン＝ジョンと原曲者であるドリー・パートン本人との、まさに夢のようなデュエットバージョンが発表されました。この新しい音源は、コンピレーションアルバム『ジャスト・ザ・トゥー・オブ・アス: ザ・デュエッツ・コレクション (Vol.1)』に収録されています。この歴史的な共演は大きな話題を呼びましたが、特筆すべきは、このデュエットバージョンが、惜しまれつつこの世を去ったオリビア・ニュートン＝ジョンにとって、生前最後に行われたレコーディングの一つとなったことです。異なる世代、異なるジャンルの歌姫二人が「ジョリーン」を通して結びついたこのバージョンは、多くの音楽ファンにとって忘れられない宝物となっています。

オリビア・ニュートン＝ジョンのシングル盤は、発売国によって収録曲が異なりました。

日本盤シングルの収録曲は以下の通りです。

ジョリーン (Jolene) - 3:03
貴方の腕に抱かれて (Pony Ride) - 3:05

オーストラリア盤シングルの収録曲は以下の通りです。

ジョリーン (Jolene) - 3:07
チェンジ (Changing Different Women) - 2:30

このように、「ジョリーン」はドリー・パートンによるオリジナルの素晴らしさはもちろんのこと、オリビア・ニュートン＝ジョンのカバーによっても、世界中の、特に日本の音楽ファンに深く愛され続けている楽曲です。世代を超えて歌い継がれるその魅力は、今後も色褪せることはないでしょう。

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