ジョンソン・タウン

ジョンソンタウンとは

ジョンソンタウンは、埼玉県入間市東町に位置する、かつての米軍住宅地跡を再整備したエリアの名称です。株式会社磯野商会によって管理され、アメリカンスタイルの街並みが維持されています。敷地内には、米軍ハウスと呼ばれる平屋の古民家と、現代的な低層住宅である平成ハウスが混在しており、独特の景観を作り出しています。

約25,000平方メートルの敷地内には、約130世帯210名が生活し、飲食店や雑貨店など約50店舗が営業しています。カフェやレストラン、雑貨店など個性的な店舗が軒を連ね、訪れる人々を楽しませています。週末にはフリーマーケットなどのイベントも開催され、多くの人で賑わいます。

歴史

ジョンソンタウンの歴史は、1938年頃に磯野農園が、現在の入間基地にあった陸軍航空士官学校の将校のために日本家屋を建てたことに始まります。

1945年、終戦とともに陸軍航空士官学校は進駐軍に接収され、ジョンソン基地となりました。1950年の朝鮮戦争開戦に伴い米軍が増派されると、米軍人用の住宅が必要となり、磯野商会は1954年に米軍ハウス24棟を建設しました。当時、ジョンソン基地周辺には600～700棟もの米軍ハウスがあったと言われています。

1978年に米軍が撤退すると、米軍ハウスは空き家となり、老朽化が進みました。周辺の米軍ハウスが取り壊されていく中で、1996年に磯野商会の社長が交代し、復興策が検討されました。2003年には復興方針が決定し、米軍ハウスのリノベーションと、日本家屋の建て替えが始まりました。

約10年かけて、米軍ハウスはリノベーションされ、日本家屋は米軍ハウス風の平成ハウスへと建て替えられ、現在の街並みが形成されました。2009年には「磯野住宅」から「ジョンソンタウン」へ改名し、商標登録されました。

受賞歴

ジョンソンタウンは、その優れた景観と地域への貢献が評価され、数々の賞を受賞しています。

2015年：都市景観大賞都市空間部門 大賞（国土交通大臣賞）
荒廃した状態から文化遺産を修復・保全し、魅力的で文化的な景観を生み出したことが評価されました。
2017年：日本建築学会賞（業績）
米軍ハウスの建築学的価値を保存しつつ、現代的な価値で再解釈した平成ハウスの建設や、地域コミュニティの形成、管理者である磯野商会の努力が評価されました。
2017年：キッズデザイン賞 優秀賞（少子化対策担当大臣賞）
地域性を活かしたコミュニティ形成を重視した街づくりが、子育てしやすい環境を生み出すモデルとして評価されました。
2021年：グッドデザイン賞 金賞（経済産業大臣賞）
荒廃した米軍住宅地を再生し、統一感のある街並みを作り上げたこと、住人との丁寧なコミュニケーションや、バリアフリーへの配慮、地域との連携などが評価されました。

ロケ地としての活用

ジョンソンタウンは、その独特な景観から、映画やドラマのロケ地としても利用されています。2006年の映画『シュガー&スパイス 風味絶佳』をはじめ、数多くの作品の撮影が行われています。ただし、私有地のため無断でのロケは禁止されています。

その他

ジョンソンタウンは、単なる住宅地ではなく、地域コミュニティが育まれる場所として、また、訪れる人々にとって魅力的な観光スポットとして、その存在感を増しています。今後も、この街並みを守りながら、新たな価値を創造していくことが期待されます。

公式サイト

JOHNSON TOWN - ジョンソンタウン
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