ジョン・カーライル

ジョン・グリフィン・カーライルの生涯と業績

ジョン・グリフィン・カーライル（John Griffin Carlisle）は1834年9月5日にケンタッキー州ケントン郡で生を受けたアメリカの政治家です。彼は1883年から1889年までアメリカ合衆国下院議長を、さらに1893年から1897年までアメリカ合衆国財務長官を務めるなど、多岐にわたる政治的業績を残しました。

初期の経歴

カーライルは法学を学び、コビントンで弁護士としてキャリアをスタートしました。彼はその後、ケンタッキー州知事のジョン・スティーブソンのもとで公職に携わりました。カーライルは南北戦争の際には中立的な立場を取ったことから、政治的な困難を経験しましたが、1860年代のほとんどをケンタッキー州議会で過ごしました。彼は州下院議員を1期、上院議員を2期務め、ついには1871年にケンタッキー州副知事に選ばれました。

アメリカ合衆国下院での活動

1975年に副知事としての任期を終えたカーライルは、アメリカ合衆国下院に当選します。彼は銀貨の流通を支持する一方で、銀の自由鋳造には反対し、通貨の安定には関税の税率引き下げが不可欠だと主張しました。この立場から彼は低関税を唱える民主党内でのリーダーとなり、保護貿易を提唱するサミュエル・ランダルとの対立も抱えました。

1883年、カーライルとランダルは下院議長の座を争い、最終的にカーライルが選出されました。彼は議会内でも人気を博し、大統領候補としての名も挙がったものの、1880年と1884年の選挙では他の候補が推薦され、彼自身は出馬を果たすことはありませんでした。

上院議員および財務長官として

1890年には死去した上院議員ジェイムズ・ベックの後任として上院議員に任命され、その後1892年、クリーブランド大統領から財務長官に指名されます。カーライルはこの役職を受け入れると同時に上院議員を辞任しました。

カーライルが財務長官に就任した直後、アメリカは1893年恐慌という深刻な経済危機に見舞われます。彼は銀貨の鋳造を停止し、アメリカの金本位制への移行を余儀なくされました。この過程では、ウィルソン・ゴーマン関税法への反対も強いられ、彼の政治的立場は党内での対立を引き起こしました。

1896年の大統領選挙では、カーライルは民主党候補ウィリアム・ブライアンに反対し、国民民主党のジョン・パーマーを支持しました。このようにして、カーライルは次第に政治的孤立を深めていきます。

晩年

結局、カーライルは1897年に財務長官の職を辞し、ニューヨークに移ります。彼はそこで再び弁護士としての活動を始め、政治の表舞台から退くことになります。カーライルの生涯は、アメリカの政治史において重要な位置を占め、特に経済政策の発展に大きな影響を与えました。彼の業績は多くの後続の政治家にとっての指針となり、今日に至るまで語り継がれています。

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