ジョン・ブローニング

ジョン・モーゼス・ブローニングの生涯

ジョン・モーゼス・ブローニングは、1855年にアメリカのユタ州オグデンに生まれました。彼の父親は銃器技師であるジョナサン・ブローニングで、ジョンは幼少期から父の影響を受けて育ちました。家庭には非常に多くの兄弟が存在しており、その中でもジョンは特に器用で、18歳の時には父の銃砲店で銃の修理を手伝いながら、革靴を手作りし評判を集めました。

24歳で父の銃砲店を受け継ぎ、彼は自身のレバーアクション式ライフルを開発します。1879年に特許を取得し、それをきっかけに兄弟たちと共に銃の修理や販売に専念することになります。1879年、彼は生涯の伴侶であるレイチェルと結婚しましたが、同年に父を亡くし、家族を支えるための責任が重くなりました。

ウィンチェスター社との出会い

兄弟たちの協力により、ジョンは開発したライフルの販売を始め、その銃に興味を示したのがウィンチェスター社のセールスマン、アンドリュー・アクアウスランドでした。彼はそのライフルを社長に送付し、興味を持たれた社長はジョンと直接会うことを決意します。ウィンチェスター社はその後、8000ドルで特許と在庫を買い取り、1885年にはウィンチェスターM1885として商業化されます。

新たな会社設立

特許の売却により得た資金で、ジョンは兄弟と共に「ブローニング兄弟商会」を設立します。ここで彼は設計開発に専念し、再び新しいレバーアクションライフルを開発します。やがて、ウィンチェスター社はこの新型ライフルを50,000ドルで買取り、ウィンチェスターM1886として販売されることになります。

このM1886は非常に成功し、年産16万挺を越え、ウィンチェスター社にとっても大ヒット商品となりました。1884年、ジョンと弟マシューはウィンチェスター社からショットガンの製造依頼を受け、これをきっかけに初のレバーアクションショットガンであるウィンチェスターM1887が誕生します。

革新の連続

ジョンはポンプアクションショットガンの開発にも取り組みます。この新しい作動方式は1890年に考案され、M1893として世に出ました。さらに、30日以内に新型ライフルを設計するという条件のもと作り上げたウィンチェスターM92は、西部劇でも有名になり、100万挺が売れました。

機関銃と自動式拳銃の革新

ショットガンの射撃時に発生するガスを利用して次弾を装填する機構を考案し、1895年にはコルト・ブローニングM1895重機関銃を完成させます。さらに1897年には、自動式拳銃の開発にも着手し、コルト社によってコルトM1900として販売されました。彼の発明は、現代の銃器に多大な影響を与えることになります。

ウィンチェスター社との決別とFN社との提携

しかし、ジョンとウィンチェスター社との間には不和が生じ、彼は新型ショットガンを持って他の会社に提案しました。これが成功し、最終的にはベルギーのFN社と提携し、数々の銃器を生産します。後にはアメリカ軍の制式拳銃M1911や自動小銃BARも手掛けました。

突然の死と遺産

1926年、彼はベルギーの工場を訪問中に急逝しました。その時、設計したハイパワー拳銃やスーパーポーズドは彼の死後に製造され、彼自身がその成果を見ることはできませんでした。彼の生涯における特許は128件であり、現代の軍用銃に彼の影響を受けないものは存在しません。ジョン・モーゼス・ブローニングは、銃器設計の先駆者としての名を刻み続けています。

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