ジョン・モウブレー (第4代モウブレー男爵)

第4代モウブレー男爵ジョン・ド・モウブレーの生涯

第4代モウブレー男爵ジョン・ド・モウブレー（John (III) de Mowbray, 4th Baron Mowbray, 1340年6月24日 - 1368年10月19日）は、14世紀のイングランドを生きた貴族です。彼は、リンカンシャーのアックスホルムの第3代モウブレー男爵ジョン・ド・モウブレーと、ランカスター伯ヘンリーの娘ジョーン・オブ・ランカスターの間に生まれました。ジョンはヘンリー3世の孫にあたり、由緒ある家系の出身でした。

1355年、ジョンはエドワード3世によって騎士に叙任され、フランスへの遠征に参加。1356年にはブルターニュで戦いました。1361年には領地を相続しましたが、その一部は父の再婚相手であるエリザベス・ド・ヴィアの寡婦財産となっていました。

継母との財産を巡る争い

継母のエリザベスは、ウィリアム・ド・コシントンと再婚。その後、エリザベスとウィリアムは借金のためフリート刑務所に収監されます。この背景には、ジョンが継母の財産浪費を訴えたことがあったようです。ジョンはエリザベスに対し、多額の損害賠償を求めています。

結婚と家族

当初、ジョンはトマス・オブ・ブラザートンの孫娘オードリー・モンタギューとの結婚が予定されていましたが、実現には至りませんでした。その後、1349年頃に第4代セグレイヴ男爵ジョンの娘エリザベス・ド・セグレイヴと結婚しました。この結婚は、モウブレー家とセグレイヴ家の関係を強化するもので、両家の祖父であるランカスター伯ヘンリーの意向も強く働いたようです。教皇クレメンス6世も特免状を与えています。

エリザベスの母であるノーフォーク女公マーガレット・オブ・ブラザートンは、莫大な結婚持参金を与えましたが、マーガレットが長生きしたため、ジョンは結婚による経済的な恩恵をすぐには得られませんでした。しかし、1353年にエリザベスの父が亡くなると、エドワード3世はエリザベスが相続した遺産の一部をジョンに与えることを許可しました。1367年の記録によると、ジョンは当時、年間800ポンドほどの収入を得ていたようです。エリザベスの兄が早世したため、エリザベスは後に第5代セグレイヴ女男爵となりました。

聖地への旅と死

ジョンは1362年から1366年まで議会に召集され、1367年には聖地への旅の準備を始めました。しかし、彼はコンスタンティノープル近郊でトルコ人に殺害され、その生涯を閉じました。当初、遺体はペラの修道院に埋葬されましたが、後に息子のトマスの手によってイングランドへ送還され、先祖と共に埋葬されました。

ジョンの遺言は1369年に検認され、妻のエリザベスは夫に先立つこと数ヶ月前に亡くなっています。

子孫

ジョンとエリザベスの間には、マーガレット、ジョーン、エリナー、ジョン、トマスの2男2女が生まれました。

マーガレット は、レジナルド・ド・ルーシーと結婚しました。
ジョーン は、トマス・グレイ、後にトマス・タンストールと結婚しました。
エリナー は、第5代ウェルズ男爵ジョン・ド・ウェルズと結婚しました。
ジョン は、初代ノッティンガム伯、第5代モウブレー男爵、第6代セグレイヴ男爵となりましたが、未婚で亡くなりました。
* トマス は、初代ノーフォーク公、初代ノッティンガム伯、第6代モウブレー男爵、第7代セグレイヴ男爵となり、エリザベス・フィッツアランと再婚しています。

ジョン・ド・モウブレーの死は、モウブレー家の歴史における悲劇的な出来事であり、彼の遺産は子孫によって受け継がれていきました。

モウブレー家の権力の中心地となったフラムリンガム城もこの結婚で手に入れています。この城は15世紀において重要な拠点となりました。

もう一度検索