ジョン・レノン・ミュージアム

ジョン・レノン・ミュージアムの概要

ジョン・レノン・ミュージアム（John Lennon Museum、JLM）は、2000年から2010年まで埼玉県さいたま市に存在した、著名なミュージシャンジョン・レノンに焦点を当てた展示施設です。この博物館は、さいたま新都心にある「さいたまスーパーアリーナ」の4階と5階の一部に設けられており、ジョン・レノンの遺品や作品を展示する公式な常設博物館としては初めてのものでした。開業日である10月9日は、ジョンの誕生日でもあります。

施設は2010年9月30日に閉館の運びとなりましたが、その理由は「ライセンス契約の満了」によるものでした。閉館後は、多目的なイベントスペース「TOIRO」として生まれ変わりました。

設立の目的と展示内容

ジョン・レノン・ミュージアムは、彼の人生と音楽キャリアに関する歴史的知識を保存・展示することを目的に設立されました。特に、妻のオノ・ヨーコの協力を受け、彼に関連する貴重なギターや衣類、メガネなどが展示されていました。また、2階のスペースでは不定期にフリーライブが行われたり、命日である12月8日の近くには献花台が設けられるなど、ファンにとって特別な場所となっていました。

ミュージアムの入口は2階からのエスカレーターで誘導され、4階でチケットを購入した後、まずシアターに案内され、ジョンの生涯を振り返るビデオを観賞する形になっていました。その後、展示スペースは4階と5階に分かれており、階の移動には上り専用のエスカレーターが利用されました。

展示スペースの構成

4階部分では、ジョンの生誕からビートルズ時代に関するコレクションが主に展示されており、解説も添えられていました。一方、5階部分は主にジョンのソロ活動から暗殺された日までをテーマにしており、特に印象的だったのは「ホワイトルーム」と呼ばれる空間でした。この部屋では、ジョンの名言が描かれた白く塗られた壁が立ち並び、来場者はそこに置かれた透明な椅子に座りながらメッセージを読みつつ、思索にふけることが出来るようになっています。

5階にはさらに特別展示用のスペースも設けられており、年に数回テーマに基づいた展示が行われることもありましたが、常設ではなかったため、展示が行われていない時期もありました。見学の最後には、来場者が感想や意見を記入できる紙とポストが用意されており、それらの意見はミュージアムのフリーペーパーに掲載されたり、ショップの商品にも反映されることがありました。

アクセシビリティとショップ

このミュージアムは大成建設の文化事業として運営されており、館長なども同社から派遣されていました。バリアフリーに配慮された設計で、下肢に障害がある来場者もスタッフの案内によりエレベーターの利用ができ、バリアフリートイレも設置されていました。一方、5階の展示物へのアクセスには階段を使用する必要があったため、全ての来場者にとって完全にバリアフリーというわけではありませんでした。

人気と閉館

10年弱の間に約61万5000人が来館したとされ、開館当初から一定の集客を得ていたものの、2000年代後半には来訪者数が落ち込む事態に直面しました。閉館のニュースが流れて以降、たくさんの署名活動が行われたり、入館者数も増加しましたが、最終的にミュージアムの閉館を覆すことはできませんでした。

まとめ

ジョン・レノン・ミュージアムは、彼に関連する貴重な展示物を通じて多くのファンに愛され、音楽と人生を振り返る場を提供しました。レノンの影響力を感じることができる場所として、彼の遺産を語り継ぐ重要な役割を担っていました。

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