ジョン・L・サリバン

ジョン・ローレンス・サリバン

ジョン・ローレンス・サリバン（John Lawrence Sullivan、1858年10月15日 - 1918年2月2日）は、アメリカ合衆国マサチューセッツ州出身のプロボクサーです。ベアナックル・ボクシング（グローブを着用しない素手でのボクシング）の「ロンドン・プライズリング・ルールズ」時代における最後のヘビー級チャンピオンであり、グローブを着用するクインズベリー・ルールでの最初の認定チャンピオンとしても知られています。彼の体重は約96kgでした。

生い立ちと初期のキャリア

サリバンは、アイルランドからの移民の両親のもと、1858年10月15日にマサチューセッツ州で生まれました。若い頃から格闘技に興味を持ち、非合法な試合でアマチュアを相手に賞金を賭けた試合を繰り返し、何度も逮捕されるという荒れた生活を送っていました。しかし、その強さは次第に評判を呼び、プロボクサーとしてのキャリアをスタートさせることになります。

ヘビー級王座の獲得と防衛

サリバンは、1882年2月7日に24歳でヘビー級王座戦に出場しました。しかし、この試合は現代においては世界タイトルマッチとは認めないという意見も多いです。彼はその後、1883年から1884年にかけてアメリカ大陸を横断するツアーを行い、136の都市や町で195試合もの試合をこなしました。そのツアー中には、250ドルの賞金マッチで対戦相手を募り、11人を倒すなど、その強さを見せつけました。

1887年には、プロレスラーのウィリアム・マルドゥーンと異種格闘技戦を行い、試合後には観客が暴動を起こしたという記録が残っています。マルドゥーンはその後引退し、サリバンのマネージャーとなりましたが、このことが八百長疑惑を生む要因にもなりました。

1889年、31歳になったサリバンは、ミシシッピ州リッチバーグでヘビー級王座戦（対ジェーク・キルレイン、ロンドン・プライズリング・ルールズ）に出場し、75ラウンド（2時間16分）という激闘を制して勝利しました。この試合は、プロレスラーのウィリアム・マルドゥーンがコーチを務め、写真が残っている唯一のベアナックル試合としても知られています。また同年7月には、ヘビー級王座防衛戦（対ジェイク・ロドリゲス、ロンドン・プライズリング・ルールズ）にも出場しました。

クインズベリー・ルールへの移行と王座陥落

1892年9月7日、34歳になったサリバンは、ジェームス・J・コーベットとヘビー級王座防衛戦（クインズベリー・ルール）で対戦し、21ラウンド1分30秒でKO負けを喫しました。この試合で、彼は自身の持つヘビー級王座を失い、その長いキャリアに終止符を打ちました。クインズベリー・ルールはグローブを着用するルールであり、サリバンが長年戦ってきたベアナックルルールとは異なるため、この敗戦は時代の変化を象徴する出来事でした。

その後と死去

サリバンは、1918年2月2日にこの世を去りました。彼の生涯は、ボクシングというスポーツが、ベアナックルからグローブ着用へと移行する時代の変遷を体現していました。

戦績

プロボクシング: 45戦 41勝 33KO 1敗 3分

獲得タイトル

初代世界ヘビー級王座（1882年2月7日 - 1892年9月7日）

外部リンク

* ジョン・L・サリバンの戦績 - BoxRec（英語）

もう一度検索