ジョージ・ポーターJr.
ニューオーリンズ音楽シーンにおいて、欠かせない存在感を放つ
ベーシスト兼
歌手、ジョージ・ポーターJr.(George Porter, Jr.)は、
1947年12月26日に
ルイジアナ州ニューオーリンズで生を受けました。特に、彼は伝説的な
ファンク・バンド、ザ・ミーターズ(The Meters)の創設メンバーとして、音楽史にその名を刻んでいます。
ザ・ミーターズとその功績
1960年代半ば、ポーターJr.はキーボーディストの
アート・ネヴィルと共にミーターズを結成しました。彼らは独自のグルーヴとタイトなリズムセクションで、後の音楽シーンに多大な影響を与える
ファンクミュージックというジャンルの基礎を築き上げた先駆者の一つとして広く認識されています。彼らの生み出したサウンドは、数えきれないほどのアーティストにサンプリングされ、現代のヒップホップやR&BにもそのDNAは受け継がれています。
ミーターズは
1977年に一度活動を休止しましたが、
1989年にはポーターJr.を含む主要メンバーによって再結成され、「ファンキー・ミーターズ(Funky Meters)」名義で再び精力的に活動を開始しました。残念ながら、2019年に
アート・ネヴィルが逝去したことにより、バンドとしての活動は停止しています。
多様な音楽活動
ミーターズ以外でも、ジョージ・ポーターJr.は非常に多作な活動を続けています。自身のリーダーバンドであるランニン・パードナーズ(Runnin' Partners)を率いるほか、ジョニー・ヴィダコヴィチ・トリオ(Johnny Vidacovich Trio)、ポーター/バティスト/ストルツ(Porter Batiste Stoltz, PBS)、ディープ・フライド(Deep Fried)といった様々なプロジェクトやグループに参加し、その卓越したベースプレイを披露しています。
また、彼は地元
ニューオーリンズでは最も人気のあるセッション・
ベーシストの一人としても知られています。そのキャリアを通じて、彼はジャンルや世代を超えた幅広いアーティストたちのレコーディングやライブに数多く参加し、その強固でファンキーなリズムで楽曲を支えてきました。彼が共に仕事をしたアーティストの名前を挙げれば、
ドクター・ジョン(Dr. John)、
ポール・マッカートニー(Paul McCartney)、
ロバート・パーマー(Robert Palmer)、
パティ・ラベル(Patti LaBelle)、
ジミー・バフェット(Jimmy Buffett)、デイヴィッド・バーン(David Byrne)、ジョニー・アダムス(Johnny Adams)、アール・キング(Earl King)、スヌークス・イーグリン(Snooks Eaglin)など、そのリストは非常に長大です。
評価
その長年の功績と影響力は広く認められており、権威ある音楽雑誌
ローリング・ストーンが選出した「史上最高の
ベーシスト50選」では、見事第41位にランクインしています。これは、彼のベースプレイが単なる伴奏に留まらず、楽曲の核となる重要な要素であり、多くのミュージシャンやリスナーに影響を与え続けていることの証です。
ディスコグラフィー(代表的な作品)
ソロ / Runnin' Partner
1990年 - Runnin' Partner (Rounder)
1994年 - Count on You (Bad News)
1994年 - Things Ain't What They Used To Be
1997年 - Funk This (Transvideo)
2000年 - Funk 'n' Go Nuts (Transvideo)
2005年 - Searching For A Joyride (Night Train)
2007年 - It's Life (Transvideo)
2010年 - Christmas In New Orleans "A Tribute To My Mother"
2011年 - Can't Beat The Funk (Independent)
その他プロジェクト
2003年 - Johnny Vidacovich Trio/We Came To Play (Trio)
*
2005年 - Porter Batiste Stoltz/Expanding The Funkin Universe (OUW Records)
ジョージ・ポーターJr.は、その衰えを知らない探求心と卓越した技術で、今なお
ニューオーリンズ音楽の伝統を守りつつ、新たなサウンドを生み出し続けています。彼のベースラインは、
ファンクというジャンルそのものを定義づけるほどの力強さとグルーヴを持ち、世界中の音楽ファンを魅了し続けています。