ジョージ・ヤードリー

ジョージ・ヤードリー：NBA初のシーズン2000得点超えを果たした名フォワード

ジョージ・ハリー・ヤードリー3世は、1950年代にNBAで活躍したプロバスケットボール選手です。スタンフォード大学で才能を開花させ、フォートウェイン・ピストンズ（現デトロイト・ピストンズ）でキャリアの黄金期を築きました。彼は、NBA史上初めてシーズン通算2000得点を達成した選手として、その名を歴史に刻んでいます。1996年にはバスケットボール殿堂入りを果たしました。

生い立ちと大学時代

ヤードリーはスタンフォード大学で3年間プレイし、2度オールアメリカンに選出されるなど、早くからその才能を発揮しました。大学卒業後は、アマチュア・アスレチック・ユニオン（AAU）のチームでプレイし、1951年の全米AAUチャンピオンシップで優勝。自身も全米アマチュア年間最優秀選手に選ばれました。その後、2年間は海軍で兵役に就き、1953年のNBAドラフトでフォートウェイン・ピストンズから指名を受け、NBA入りを果たしました。

NBAキャリア

フォートウェイン・ピストンズ

ルーキーシーズンは、チームの中心選手をサポートする役割を担い、2年目には大きく成長。チームのリーディングスコアラーとして活躍しました。チームはファイナルに進出するも、シラキュース・ナショナルズに敗れ、優勝はなりませんでした。このファイナルでの敗戦には、八百長疑惑も囁かれています。

その後もヤードリーは着実に成長を続け、1956-57シーズンにはオールNBA2ndチームに選出。1957-58シーズンには、平均27.8得点、10.7リバウンドを記録し、リーグ史上初のシーズン通算2000得点以上を達成しました。フリースロー試投数、成功数も当時のNBA新記録を樹立し、オールNBA1stチームにも選出されました。

シラキュース・ナショナルズ

1958-59シーズン途中にシラキュース・ナショナルズに移籍。ドルフ・シェイズと共にチームの得点源として活躍しましたが、1959-60シーズンを最後に現役を引退しました。ラストシーズンも平均20得点以上を記録しましたが、「子供が学齢に達したらバスケットを辞める」という妻との約束を守るため、惜しまれつつも引退を決意しました。

NBA7シーズンでの通算成績は、472試合に出場、9,063得点（平均19.2得点）、4,220リバウンド（平均8.9リバウンド）でした。

引退後

引退後は、大学時代に取得した工学の学位を活かし、ジョージ・ヤードリー・カンパニーを設立。実業家として成功を収めました。2004年、筋萎縮性側索硬化症（ALS）のため75歳で亡くなりました。

プレースタイルと評価

ヤードリーは、柔軟性に富んだ脚力を活かし、ダンクとジャンプシュートの両方を得意とする、当時としては珍しいタイプの選手でした。特にジャンプシュートは、リーグ随一のクイックリリースを誇りました。学生時代には、そのプレースタイルから「バード（Yardbird）」という愛称で親しまれていました。

主な業績

オールスター選出：6回 (1955年-1960年)
オールNBA1stチーム選出：1回 (1958年)
オールNBA2ndチーム選出：1回 (1957年)
得点王：1回 (1958年)
* バスケットボール殿堂入り

ジョージ・ヤードリーは、その卓越した得点能力と華麗なプレースタイルで、1950年代のNBAを彩ったスター選手でした。彼の功績は、バスケットボールの歴史に永遠に刻まれることでしょう。

もう一度検索