ジョーディー・バレット

ジョーディー・バレット（Jordie Barrett）は、1997年2月17日にニュージーランド北島のニュープリマスで誕生したプロのラグビーユニオン選手です。ラグビー一家に育ち、兄のボーデン、スコットもニュージーランド代表として活躍する有名な「バレット三兄弟」の末弟として、幼い頃からラグビーに親しんできました。現在は、ユナイテッド・ラグビー・チャンピオンシップに所属する強豪クラブ、アイルランドのレンスターでプレーしています。

彼の最大の魅力の一つは、そのポジションの多様性です。主にウィング（WTB）、センター（CTB）、フルバック（FB）といったバックスの様々なポジションを高いレベルでこなす、現代ラグビーにおいて非常に価値の高いユーティリティプレイヤーです。身長196cm、体重96kgという大型バックスとしての恵まれた体格は、特にセンターでのパワフルなランや、タックルにおける強さの源となっています。また、彼の右足から繰り出されるキックは非常に正確で飛距離があり、ロングレンジのペナルティゴールや、戦術的なキックによって試合の流れを変えることも得意としています。

プロキャリアは、ニュージーランド国内リーグであるカンタベリーからスタートしました。その後、南半球の最高峰リーグであるスーパーラグビーに挑戦し、2017年にはハリケーンズに加入しました。ハリケーンズでは、主にフルバックとしてチームの攻撃を牽引し、印象的なパフォーマンスを数多く見せました。スーパーラグビーでの経験を通じて、彼のスキルとゲーム理解度は飛躍的に向上しました。

国際舞台では、まず若手選手の登竜門であるU20ニュージーランド代表に選ばれ、将来を嘱望される存在となりました。そして、ニュージーランド代表、オールブラックスとしてのテストマッチデビューを果たし、短期間のうちにチームに不可欠な存在となりました。2024年10月現在で57キャップを獲得しており、オールブラックスのバックス陣の中核を担っています。世界のラグビーファンにその名を広く知らしめたのは、ラグビーワールドカップでの活躍です。彼は2019年日本大会、そして2023年フランス大会と、2大会連続でオールブラックスのメンバーに選出され、世界の強豪を相手に戦いました。特にフルバックやセンターとして、トライゲッターとしても、またチームの危機を救うタックラーとしても貢献しました。

2024年には、ニュージーランドのシーズンオフ期間を利用して、新たな挑戦としてアイルランドのレンスターへの短期契約移籍を選択しました。これは、異なるラグビー文化やプレースタイルを経験し、選手としてさらなる成長を目指す彼の意欲を示すものです。レンスターでのプレーは、彼にとって貴重な経験となり、今後のキャリアに大きな糧となるでしょう。

バレット三兄弟として、兄たちと共にオールブラックスのジャージーを着てピッチに立つ姿は、ニュージーランドラグビー史に残るハイライトの一つです。互いに高め合いながら、世界のラグビー界をリードする彼らの存在は、多くの若いラグビー選手にとって目標となっています。

ジョーディー・バレットは、その多才さ、フィジカルの強さ、そしてメンタルの強さで、現代ラグビーにおけるトッププレイヤーとしての地位を確立しています。ハリケーンズ、オールブラックス、そしてレンスターでの活躍を通じて、彼のキャリアはまだ発展途上であり、今後も世界の舞台でどのようなプレーを見せてくれるのか、多くのファンが注目しています。

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