ジロ・デ・イタリア 1987

ジロ・デ・イタリア 1987：激闘とチーム内の軋轢

1987年のジロ・デ・イタリアは、第70回目の記念大会として、5月21日から6月13日まで全22ステージで開催されました。この大会は、アイルランドのステファン・ロッシュが総合優勝を果たし、その後のツール・ド・フランス、世界選手権制覇へと繋がるトリプルクラウン達成の足がかりとなったことで知られています。しかし、その道のりは決して平坦ではありませんでした。

波乱の幕開けとチーム内の不協和音

第3ステージのチームタイムトライアル後、ステファン・ロッシュがマリア・ローザ（個人総合時間賞の首位選手に与えられるピンク色のジャージ）を獲得。その後、第8ステージを除き、第12ステージまでその座を維持しました。しかし、状況は一変します。

第13ステージで、ロッシュと同じカレラチームに所属し、前年のジロ覇者であるロベルト・ヴィセンティーニが、プロローグ以来のマリア・ローザを奪取したのです。カレラチームは当初、ロッシュに対しヴィセンティーニのアシストに回るよう指示しましたが、ロッシュはこれを拒否。チーム内に不協和音が生じ始めました。

ロッシュの反撃とヴィセンティーニの苦悩

第14ステージ以降、ロッシュはロバート・ミラーらの協力を得て単独アタックを敢行。その結果、第15ステージ終了後には、ヴィセンティーニからマリア・ローザを奪還しました。カレラチーム側も、この時点でヴィセンティーニにロッシュへのサポートを指示しましたが、ヴィセンティーニは複雑な立場に置かれることになります。

前年覇者としてジロ連覇への意欲を燃やすヴィセンティーニは、チームの指示に反して単独アタックを試みます。しかし、その試みは失敗に終わり、最終的には途中棄権を余儀なくされました。チームオーダーに翻弄されたヴィセンティーニの苦悩が垣間見える出来事でした。

ロッシュ、総合優勝へ

その後、ロッシュはマリア・ローザを守り抜き、見事総合優勝を果たしました。チーム内の葛藤を乗り越えての勝利は、彼の精神的な強さを示すものでした。

トリプルクラウン達成へ

ロッシュはその後、ツール・ド・フランス、世界自転車選手権をも制し、1974年のエディ・メルクス以来となる、史上2人目のトリプルクラウンを達成。1987年のジロ・デ・イタリアは、彼の輝かしいキャリアにおける重要なターニングポイントとなりました。

この大会は、チーム内の戦略、個人の野心、そして勝利への執念が複雑に絡み合った、記憶に残る大会として、今も語り継がれています。

マリア・ローザ保持者

(詳細な情報が不足しています。必要に応じて追記します。)

各部門賞結果

(詳細な情報が不足しています。必要に応じて追記します。)

もう一度検索