ジロ・デ・イタリア 1993

1993年のジロ・デ・イタリアは、記念すべき第76回目の開催を迎え、5月23日から6月13日まで、全21ステージ、総距離3703kmにわたる熱戦が繰り広げられました。

レース概要

この年のジロは、例年にも増して波乱に満ちた展開となりました。マリオ・チポリーニやジャモリディネ・アブドヤパロフといった、名だたるスプリンターが相次いで欠場したことで、平坦ステージでは、若手選手やベテラン選手にチャンスが巡ってきました。彼らは、その好機を最大限に活かそうと、激しいスプリント合戦を繰り広げました。

総合優勝争いでは、前年覇者であるミゲル・インドゥラインが、2連覇を目指して参戦。第14ステージで首位に立ち、その実力を見せつけました。しかし、ピオトル・ウグルモフが、山岳コースで驚異的な粘りを見せ、インドゥラインに食らいつきます。両者の差はなかなか開かず、手に汗握る展開が続きました。

インドゥラインは、第19ステージの個人タイムトライアルで、ウグルモフに45秒差をつける圧巻の走りで区間優勝を果たし、総合優勝に王手をかけます。誰もがインドゥラインの勝利を確信しましたが、続く第20ステージで、ウグルモフが意地を見せます。36秒差を縮め、総合優勝争いは最終日までもつれ込むこととなりました。

最終的に、インドゥラインはウグルモフを58秒差で振り切り、辛くも総合2連覇を達成しました。その強さを見せつけるとともに、苦しみながらの勝利は、多くのファンに感動を与えました。

ダブルツール制覇

ジロ・デ・イタリア制覇後、インドゥラインはツール・ド・フランスにも出場し、見事総合3連覇を達成。これにより、史上初めて、ジロとツールのダブルツール制覇を2年連続で成し遂げました。この偉業は、彼の名を自転車競技史に永遠に刻むこととなりました。

レース結果

詳細な最終成績、ポイント賞、山岳賞、各ステージのマリア・ローザ保持者については、以下の外部リンクをご参照ください。

* メモワール・デュ・シクリスム

この年のジロ・デ・イタリアは、インドゥラインの強さ、ウグルモフの粘り強さ、そして若手選手の台頭など、見どころ満載のレースでした。数々のドラマが生まれたこの大会は、自転車競技ファンにとって忘れられない記憶として、今も語り継がれています。

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