ジーン・シュー

ジーン・シュー：選手と名コーチ、二つの顔を持つNBAのレジェンド

ジーン・シュー（Gene Shue, 1931年12月18日 - 2022年4月4日）は、アメリカのプロバスケットボールリーグNBAにおいて、選手そして指導者として輝かしい実績を残した人物です。メリーランド州ボルティモア出身で、メリーランド大学でバスケットボールの腕を磨きました。

ピストンズのエースとしての活躍

1954年のNBAドラフトでフィラデルフィア・ウォリアーズから全体3位指名を受けNBA入りを果たした後、ニューヨーク・ニックスを経て、フォートウェイン・ピストンズ（後のデトロイト・ピストンズ）でシューの才能は開花しました。特に、ピストンズでの活躍は目覚ましく、1959-60シーズンにはキャリアハイとなる22.8得点、5.5リバウンドを記録。彼の代名詞とも言える"スピン・ムーブ"は、多くのファンを魅了しました。

1961-62シーズンまでピストンズでプレイした後、再びニックスへ、そしてボルティモア・ブレッツ（現ワシントン・ウィザーズ）へ移籍し、1963-64シーズンを最後に現役を引退しました。NBA通算成績は、10シーズン699試合に出場し、10,068得点、2,855リバウンド、平均14.4得点、4.1リバウンド。通算10,068得点は、当時ガードの選手としてはNBA記録でした（後にマジック・ジョンソンによって更新）。

指導者としての成功

シューのコーチキャリアは22年間に及び、そのうち13年間をワシントン・ウィザーズ（当時はボルティモア・ブレッツ、ワシントン・ブレッツ）で指揮しました。選手兼ヘッドコーチとしてキャリアを終えたボルティモア・ブレッツで、引退後はヘッドコーチに専念。低迷していたチームを、就任3年目の1968-69シーズンには前季の36勝から57勝へと大きく躍進させ、最優秀コーチ賞を受賞しました。1970-71シーズンにはファイナルにも進出しています。

1973-74シーズンからはフィラデルフィア・76ersのヘッドコーチに就任し、ジュリアス・アービングを獲得した1976-77シーズンには、自身2度目のファイナル進出を果たしました。その後、サンディエゴ・クリッパーズを経て、1980-81シーズンからは再びワシントン・ブレッツで采配を振るい、1982年には2度目の最優秀コーチ賞を受賞。コーチとしての最後の2シーズンはロサンゼルス・クリッパーズで過ごしました。

コーチ通算成績は、22シーズン1,645試合で784勝861敗、勝率.477。プレーオフ進出は10回、ファイナル進出は2回を数えます。

受賞歴

オールスター選出：1958年 - 1962年
オールNBA1stチーム：1960年
オールNBA2ndチーム：1961年
最優秀コーチ賞：1969年, 1982年

ジーン・シューは、選手として、そして指導者として、NBAに多大な貢献を果たしました。彼の情熱と才能は、バスケットボール界に永遠に語り継がれるでしょう。

もう一度検索