ジーン・バッキー

ジーン・マーティン・バッキーについて

ジーン・マーティン・バッキー（Gene Martin Bacque）は、1937年8月12日にアメリカ合衆国ルイジアナ州ラファイエットで生まれたプロ野球選手です。彼は1960年代に日本のプロ野球、特に阪神タイガースで大きな成功を収め、外国人選手として初めて沢村栄治賞を受賞しました。

経歴

プロ入り前

バッキーはフランス系移民の家庭に生まれ、サウスウエスタン・ルイジアナ大学（現在のルイジアナ大学ラファイエット校）を卒業しました。彼のプロキャリアは1957年にマイナーリーグから始まりましたが、その途上で多くの苦難も経験しました。

マイナーリーグ時代

1962年、バッキーは3Aのハワイ・アイランダーズに所属していましたが、4月末に結婚式の直後に解雇されるという厳しい現実に直面します。この解雇は、チームが試合で大逆転を喫したことに起因しており、バッキーもそれに関与していたためでした。

阪神タイガース時代

その後、バッキーはハワイ朝日軍でプレーし、日本でのキャリアを志願しました。日本のマスコミや関係者の協力を得て、阪神タイガースに入団。1962年に入団テストを受け、見事合格を果たしました。

阪神への入団後、最初の数年間は成績が不振でしたが、1964年には大きな飛躍を遂げます。29勝9敗、防御率1.89の成績で最多勝と最優秀防御率のタイトルを獲得し、また200奪三振を記録しました。この年、阪神はセントラル・リーグ制覇を果たし、日本シリーズにも出場しますが、南海ホークスに敗れます。

トラブルと移籍

1968年には乱闘事件に関与し、これが選手生命を脅かす怪我につながります。結局、彼は阪神を退団し、近鉄バファローズに移籍することになりました。

近鉄での活動は厳しかったものの、彼は自己のキャリアを続け、しかし怪我の影響もあり、最終的には1970年に引退を決意しました。

引退後の生活

引退後、故郷のルイジアナに戻り、教育者として働き始めました。さらに、彼は農業にも着手し、牧場を経営しながらより静かな生活を楽しみました。日本には度々訪れ、日本時代の仲間たちとの交流を続けました。

選手としての特徴

バッキーは特異な投球フォームを持ち、得意なナックルボールを武器にプレーしていました。彼の投球には力強さが欠けていたものの、巧妙さと変幻自在な投法で多くの打者を苦しめました。

また、彼は感情豊かで、試合中に本塁打を打たれると激昂することがありました。その一方で、試合外では陽気な性格で知られ、多くの仲間に愛されていました。

晩年

2019年、彼は健康上の問題から入院し、最終的には亡くなりました。彼の82年間の人生は、数々の栄光と苦難がありましたが、選手としてだけでなく人間としても多くの人々に記憶され続けることでしょう。

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