スイミー (曲)

Every Little Thing「スイミー」と持田香織「まだスイミー」：二つの時代のドラマ主題歌

2006年8月30日、Every Little Thingは31枚目のシングル「スイミー」をリリースしました。この楽曲は、同年7月発売の7thアルバム『Crispy Park』に収録されていた楽曲からのリカットシングルという、少し変わった経歴を持っています。当初はEvery Little Thingのデビュー10周年記念企画として、アルバム『Crispy Park』と同時発売を予定していましたが、制作上の都合により3週間延期されたのです。アルバムに収録されていた楽曲がシングルカットされること自体、当初は予定されていませんでした。

「スイミー」は、ドラマ『結婚できない男』の主題歌として書き下ろされたものではありませんでしたが、その印象的なメロディーと歌詞は、多くの視聴者の心に響きました。作曲は早川大地（東京エスムジカ）、作詞はEvery Little Thingのヴォーカルである持田香織が担当し、中村康就とEvery Little Thingによる編曲で完成されたこの楽曲は、ドラマの世界観を彩るのに大きく貢献しました。シングルには、akakageによるリミックスバージョンとインストゥルメンタルバージョンも収録されています。

その後、「スイミー」は『Every Best Single 〜COMPLETE〜』『Every Best Single 2 〜MORE COMPLETE〜』『Every Best Single 2 〜laTe period〜』といったEvery Little Thingのベストアルバムにも収録され、ロングヒットを記録しました。

それから13年後、2019年10月8日、新たな「スイミー」が誕生します。それは、持田香織によるセルフカバー、「まだスイミー」です。

『結婚できない男』の続編ドラマ『まだ結婚できない男』の制作が決定した際、主演の阿部寛から「『結婚できない男』といえば“スイミー”」という強い要望があり、制作スタッフは持田香織にソロでのセルフカバーをオファーしました。

「まだスイミー」は、オリジナルの「スイミー」をベースに、歌詞の一部が変更されています。ドラマの放送時期が秋であることや、主人公である桑野信介の13年間の歳月を反映したリリックは、オリジナルとはまた違った味わい深さを醸し出しています。

編曲はクラムボンのミトが担当し、明るくキラキラとしたサウンドアレンジは、オリジナルとは異なる魅力的な雰囲気を作り上げています。配信開始日は、『まだ結婚できない男』の初回放送日と合わせられました。この新たな「スイミー」は、オリジナルの持つ普遍的な魅力を継承しつつ、新たな時代への解釈を加えた、まさにタイムレスな名曲と言えるでしょう。

このように、「スイミー」は、時代を超えて愛される楽曲であることが分かります。オリジナル版の持つ普遍的な魅力と、セルフカバー版の現代的なアレンジが織りなすハーモニーは、音楽史に新たな一章を刻んだと言えるでしょう。両楽曲ともに、ドラマとの深い結びつきを持つことで、より多くの人の心に深く刻まれています。 それぞれの楽曲が持つ独特の空気感と、時代背景を反映したアレンジは、聴く人の心に様々な感情を呼び起こすでしょう。

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