スカー・シンメトリー

スカー・シンメトリーについて

スカー・シンメトリー（Scar Symmetry）は、スウェーデン出身のメロディックデスメタルバンドで、2004年に結成されました。バンドの創立メンバーは、すでに数多くのバンドで活躍していたミュージシャンたちであり、そのため結成当初から大きな期待を寄せられていました。彼らの音楽の特徴は、独特の浮遊感のある音響と、キャッチーなギターリフ、そして力強いバスドラムが層をなす、正統派メロディックデスの構築にあります。

特にクリスチャン・アルヴェスタムのボーカルテクニックは、バンドの音作りにおいて重要な役割を果たしました。彼は低音のグロウルと高音のクリーンボイスを駆使し、凶暴さと哀愁を併せ持つ独特なボーカルスタイルを展開。2008年のアルバム『Holographic Universe』は、アメリカのビルボード誌Heatseekers Chartで23位を記録し、発売から半年間で50万枚を売り上げる成功を収めました。

バンドのヒストリー

スカー・シンメトリーは、最初にヨナス・キェルグレン（ギター）とヘンリク・オールソン（ドラムス）によって結成されました。彼らはアルタード・イーオンのレコーディングを通じて知り合い、メロディックなサウンドを求めて新たなバンドを立ち上げることを決意しました。結成後、ペル・ニルソン（ギター）やケネス・ザイル（ベース）といったメンバーが加わり、さらにクリスチャン・アルヴェスタムが参加することで、バンドは強力な体制を整えました。

デモテープ『Seeds of Rebellion』をリリースした後、コールド・レコードと契約し、2005年に1stアルバム『Symmetric in Design』を発表。このアルバムは日本でもリリースされ、注目を集めました。続く2006年には、より重厚なサウンドを持つ2ndアルバム『Pitch Black Progress』を発表し、ヨーロッパツアーに参加するなど活動を広げていきます。

2008年にリリースされた3rdアルバム『Holographic Universe』は、バンドのキャリアの中で特に重要な作品となりました。しかし、アルバムのリリース直後にクリスチャン・アルヴェスタムが脱退し、バンドは新たなボーカル体制へと移行することになりました。その後、ロバート・カールソンとラーズ・パームクヴィストを迎え入れ、ツインボーカルによる新しいスタイルで楽曲を展開していきました。

メンバーの変遷

以降、スカー・シンメトリーは多くのメンバー交代を経て、2011年に5thアルバム『The Unseen Empire』をリリースしますが、バンドの主要メンバーであるキェルグレンが脱退。彼の後任はおらず、残ったメンバーはサポートメンバーを迎えつつ活動を続けます。2014年には6thアルバム『The Singularity (Phase I: Neohumanity)』をリリース。

2015年にはベーシストのケネス・ザイルが脱退し、2016年には新たにベンジャミン・エリス（ギター）とアンドレアス・ホルマ（ベース）が加入。2017年には7thアルバムのレコーディングも行われるものの、メンバーのストレスや脱退が相次ぐ中、活動は停滞してしまいます。特にアンドレアス・ホルマの突然の脱退は、バンドにとって大きな影響を与えました。

2021年には、バンドの活動が再開され、2023年に9年ぶりとなる7thアルバム『The Singularity (Phase II: Xenotaph)』をリリース。このアルバムではニルソンがベースも兼任しています。バンドのメンバー名や体制は多数変更されましたが、今なおメロディックデスメタルシーンでの存在感を示し続けています。「スカー・シンメトリー」の音楽はメロディと破壊的なエネルギーが融合した独自のスタイルとして、多くのファンに愛されています。

現在のメンバーと活動

2024年の初めには、元メンバーのオールソンとエリスが脱退したことが発表され、新たなメンバーとしてローレンス・ディナマルカ（ドラム）とスティーヴン・プラット（ギター）が加入します。初期メンバーの脱退により、残るニルソンと共に新たな方向性を模索しつつ、バンドは新たなチャプターに突入しています。スカー・シンメトリーのこれからの活動が期待され、ファンの注目を集めています。

もう一度検索