スキップ (小説)

『スキップ』

概要

『スキップ』は、北村薫による小説であり、後にテレビドラマや舞台化されることでも知られています。1995年8月に新潮社から出版され、直木賞の候補にもなった作品で、いわゆる“時と人”三部作の一角を成しています。

あらすじ

物語の中心となるのは、一ノ瀬真理子という17歳の女子高校生です。彼女は、高校2年生としての日々を過ごしており、運動会が雨のために中止になったことで、文化祭にやってくる男子校の生徒たちとのフォークダンスを楽しみにしています。昨年はその機会を逃しており、今年こそは参加したいと願っています。しかし、運動会が中止になった影響で、地面の状態が悪化しているかもしれないと懸念する真理子は「また来年に挑戦しよう」と気持ちを落ち着けながら、自宅に帰ります。

彼女はレコードを聴きながら休息に入りますが、目を覚ますと、自宅とはまったく違う部屋にいることに気づきます。服装も見慣れていないものに変わっていて、驚愕のなかで知らない少女、桜木美也子と出会います。彼女と会話を重ねるうちに、真理子は自分が25年後の未来に迷い込んでしまったことに気づくのです。そして、美也子はなんと真理子の子どもで、夫の桜木も存在しています。真理子の実家は失われ、両親も他界しているという衝撃の事実も明らかになります。

真理子は戸惑いながらも、自らの立場を受け入れ、ロビンソン・クルーソーのように自分の役割を全うすることを決意します。そんな矢先、電話が鳴り、自身のクラスの生徒が暴走族に所属することになったと告白します。この知らせに驚きながらも、真理子は美也子の助けを得て、生徒たちと関わるために学校に赴くことを決めます。

登場人物

• - 一ノ瀬真理子（演：岡内美喜子／深川麻衣）: 17歳の女子校に通う高校生で、物語の主人公。意地っ張りな性格で、自らの課題に果敢に立ち向かう。
• - 桜木真理子（演：坂口理恵／霧矢大夢）: 42歳の国語教師で、真理子の母となるキャラクター。演劇部の顧問。
• - 桜木美也子（演：実川貴美子／木村玲衣）: 17歳で、真理子の娘。母の体に入った真理子に対し戸惑いつつも助ける。
• - 桜木（演：岡田達也）: 真理子の夫で国語教師。助言者的な存在。
• - 池内真由美（演：大木初枝／大滝真実）: 真理子の親友で演劇部員。
• - 新田誠一（演：細見大輔／碓井将大）: 真理子の教え子であり、実力テストの優秀者。
• - 栗岡（演：畑中智行／関根翔太）: 真理子の生徒で、反抗的な態度を示す。

テレビドラマ

1996年にNHK衛星第2テレビジョンで放送され、松坂慶子が主演を務めました。このドラマは全4話から構成され、各回には多彩なキャストが参加しました。

舞台

最初の舞台版は2004年に演劇集団キャラメルボックスによって上演され、2017年には再演も行われました。舞台版では、劇中で真理子が作詞した「扉を開こう」という歌がエンディング曲として使用されています。

この作品は、時代を超えた人間関係や、自己のアイデンティティを問う深いテーマが描かれており、多くの視聴者や観客に影響を与え続けているのです。

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