スキージのリーマ

スキージのリーマ（Skíðaríma）について

『スキージのリーマ』（アイスランド語: Skíðaríma）は、1450年から1500年ごろに成立した作者不明の滑稽なアイスランドのリーマ（韻文物語）です。大胆で独創的な物乞いスキージ（Skíði）を主人公としています。

物語の概要

主人公スキージは、12世紀に実在した人物をモデルにしていると考えられています。物語は、彼が1195年に夢で見た出来事を基にしています。夢の中でオーディンは、ヒルダを巡るヘジンとホグニの終わりのない戦いを終わらせるため、ソールにスキージを攫わせます。スキージはヒルダに求婚し、彼女の承諾を得て、どうにかヘジンとホグニを和解させようとします。

しかし、スキージはアース神族の前でうっかり「主（しゅ）」という言葉を口にし、十字を切ってしまいます。これに対し、ヘイムダルがギャッラルホルンで彼の口を叩き、エインヘリャル（戦死者の魂）たちがスキージを擁護する者と反対する者に分かれて大乱闘となります。竜殺しの英雄シグルズによって、スキージは最終的にドアから放り出され、アイスランドの農場で激しい痛みと共に目を覚ますという結末を迎えます。

作品の特徴

この作品の特徴は、卑屈で強欲、かつ厚かましい物乞いスキージの描写が非常に奇妙である点です。この奇妙な描写が、作品全体を風刺的なユーモアで満たしています。

写本について

最も古い写本は、レイキャヴィークのアウルトニ・マグヌッソン研究所に所蔵されているAm 1025 4toで、1737年にスカールホルトの学長ヨーン・ソルケルスソン（Jón Þorkelsson）によって書き写されました。

出版と翻訳

以下に、主な出版と翻訳に関する情報を記載します。

Maurer, Konrad von (ed.), Die Skída-ríma (Munich: Verlag der k. Akademie, 1869)：ドイツ語による解題
Kvæðasafn eptir íslenzka menn frá miðöldum og síðari öldum. Fyrsta deild: Ljóðmæli nafngreindra höfunda (Hið íslenska bókmentafélag, 1922).
Finnur Jónsson (ed.), Rímnasafn: Samling af de ældste islandske rimer, Samfund til udgivelse af gammel nordisk litteratur, 35, 2 vols (Copenhagen: Møller and Jørgensen, 1905-22), I:10–40.
Finnur Jónsson 1929 Copenhagen edition.
Theo Homan (ed.), Skíðaríma: An Inquiry into Written and Printed Texts, References and Commentaries, Amsterdamer Publikationen zur Sprache und Literatur, 20 (Amsterdam: Rodopi, 1975) (pp. 347–59 に英訳を含む).
Text in modern Icelandic spelling at Bragi

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