スキーマ

「スキーマ」という言葉は、元々は図や図式、計画を指す言葉であり、英語の「schema」、ドイツ語の「Schema」、フランス語の「schéma」に由来します。現在では、様々な分野で広く用いられる用語となっています。

「スキーム」(scheme) とスキーマは、しばしば同義として扱われますが、一般的にスキームが具体的に完成された計画や図を指すのに対し、スキーマはより概念的な、おおまかな枠組みを示すことが多いです。この言葉の語源は、古代ギリシア語の「σχῆμα」に遡ります。

各分野におけるスキーマ

哲学

存在論において、スキーマは世界の存在に関する問いと答えのリストとして捉えられます。
カント哲学においては、特定の概念として重要な役割を果たします。

心理学・認知発達

心理的な描写（心象、概念）を指し、認知構造の基本的な要素となります。
自己スキーマ：自己に関する記憶の集合体。
スキーマ療法：心理療法の一種で、個人のスキーマに焦点を当てて治療を行います。

形式論理学

公理図式（命題のセットを記述する規則）を指します。

コンピュータサイエンス

スキーマ言語：文書構造を定義するための言語。
例： Schema、XML Schemaなど。
データベース：データの構造や関係性を定義する概念。三層スキーマという視点が存在します。
形式定義：Z言語で記述された形式定義の一部。
遺伝的アルゴリズム：遺伝的アルゴリズムで用いられる概念。

生物学

概略図を指します。

スキーマの多様な側面

このように、スキーマは様々な分野で、それぞれの意味合いを持って使われています。共通するのは、何らかの構造や枠組みを指す点であり、それが抽象的な概念であることも、具体的な定義であることもあります。例えば、心理学におけるスキーマは、人が世界を理解するための認知構造である一方、コンピュータサイエンスにおけるスキーマは、データの構造を定義するための具体的なルールとして機能します。このように、スキーマは文脈に応じてその役割と意味合いを変える、多面的な概念であると言えるでしょう。

外部リソース

Schema （英語） - スタンフォード哲学百科事典「スキーマ」の項目。

関連項目

「スキーマ」で始まるページの一覧
* タイトルに「スキーマ」を含むページの一覧

もう一度検索