スクウェア・エニックスライトノベル大賞

スクウェア・エニックスライトノベル大賞：概要と詳細

スクウェア・エニックスライトノベル大賞は、日本の大手ゲーム会社であるスクウェア・エニックスが主催していた公募形式の新人文学賞です。本稿では、その前身であるスクウェア・エニックス小説大賞についても触れながら、この賞の概要、特徴、歴史、そして入賞作品について詳しく解説します。

創設と変遷

スクウェア・エニックスライトノベル大賞は、2004年から2008年まで開催されていたスクウェア・エニックス小説大賞を継承する形で、2009年に創設されました。小説大賞は、第1回から第3回までは漫画家がデザインしたキャラクターを基に小説を書くというユニークな形式を採用していましたが、第4回でこの形式は廃止されました。小説大賞は2009年の第6回をもって募集を終了し、ライトノベル大賞へと引き継がれることになります。

ライトノベル大賞は創設後、数回の開催を経て、2012年に募集が休止されました。短い期間ではありましたが、多くの新しい才能を発掘し、ライトノベル界に貢献しました。

賞の特徴

ライトノベル大賞の大きな特徴の一つは、応募形式の柔軟性です。多くのライトノベルを対象とする文学賞が手書き原稿での応募を不可とする中で、この賞は手書き原稿での応募を認めていました。さらに、電子メールにテキストファイルを添付して投稿することも可能であり、応募者にとって非常にアクセスしやすい賞でした。

部門は長編部門と短編部門に分かれており、それぞれに異なる規定が設けられていました。長編部門は400字詰め原稿用紙換算で200枚以上という規定があり、枚数上限はありませんでした。短編部門は、「ラブコメ」「ギャグ」「バトル」「ミステリ」「ホラー」「フリー」の6つのジャンルに分かれ、400字詰め原稿用紙換算で40〜100枚という規定でした。

副賞と特典

副賞も充実しており、長編部門では大賞受賞者に100万円、入選者に50万円、佳作に30万円、奨励賞に10万円、期待賞に5万円が贈られました。短編部門では、大賞受賞者に50万円、入選者に30万円、佳作に10万円、奨励賞に5万円、期待賞に3万円が贈られました。

さらに、長編部門の佳作以上の作品は、必ずガンガンノベルズから刊行され、『ガンガンONLINE』にも掲載されるという特典がありました。短編部門の佳作以上の作品も、『ガンガンONLINE』に掲載されました。また、長編・短編の両部門で佳作以上の作品を受賞者が希望した場合、漫画化される可能性がありました（長編部門大賞のみ連載）。加えて、ライトノベル大賞では長編部門大賞受賞作の朗読劇化（『ガンガンONLINE』で配信、希望者のみ）も用意されていました。

審査委員長

各回の審査委員長は以下の通りです。

第1回（2009年度）：竜騎士07
第2回（2010年度）：日日日
* 第3回（2011年度）：吉野匠

著名な作家が審査に携わることで、賞の信頼性と注目度を高めていました。

小説大賞について

スクウェア・エニックス小説大賞は、ライトノベル大賞の前身となった賞です。初期には、漫画家がデザインしたキャラクターを基に小説を書くというユニークな形式が採用されていましたが、後に廃止されました。大賞・入選・佳作・奨励賞受賞作品には、作者が希望した場合に漫画化されるという特典がありました。しかし、6回の開催を通じて大賞受賞者は出ませんでした。

スクウェア・エニックスライトノベル大賞は、短い期間ながらも、多くの才能を発掘し、ライトノベル業界に新たな風を吹き込んだ文学賞でした。

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