スクライド

スクライド（s.CRY.ed）

概要

『スクライド』は、2001年7月4日から12月26日までテレビ東京系列およびBSジャパンで放送されたサンライズ制作の全26話から成るオリジナルアニメーションです。この作品は、同じくサンライズで制作された『無限のリヴァイアス』のメインスタッフが集結して作られ、監督は谷口悟朗、脚本は黒田洋介、キャラクターデザインは平井久司によります。物語は、異なる生まれや価値観を持つ二人の少年、カズマと劉鳳を中心に展開します。

作品放送の前には、漫画版も『週刊少年チャンピオン』で連載が開始され、アニメ版とキャラクターや世界観は共有しているものの、ストーリーは大きく異なる部分がありました。小説版も発表され、特に番外編『新しき盟約』や『アフター』が後の展開を飾ります。『アフター』は2012年に完全版が発表され、物語が無事に幕を下ろしました。

放送から10年が経った2011年には、10周年を記念して「スクライド10周年プロジェクト」が立ち上がり、Blu-ray BOXの販売や新作カットが追加されたリメイク『スクライド オルタレイション』が公開されました。この作品は、当時のキャストによる新規アフレコも行われ、ファンを喜ばせました。その後は、文化庁メディア芸術祭においてアニメーション部門で多くの投票を受け取るなど、評価を受けています。

ストーリー

物語は、21世紀の初頭に突如発生した大規模な自然現象、すなわち「大隆起」に起因します。この現象によって神奈川県の一部が「ロストグラウンド」と呼ばれる非日常的な空間に生まれ変わります。首都圏の機能は麻痺し、社会は二層化されます。復興の中で、ロストグラウンドで生まれた一部の新生児には「アルター能力」という特異な力が芽生え始め、これが新しい社会の骨組みとなっていきます。中には能力を悪用する者も現れ、アルター犯罪が社会問題化していきます。

物語の主人公カズマは、崩壊したロストグラウンドの住人であり、非合法な依頼を請け負う便利屋として生きています。彼はHOLYという武装警察機関のアルター使いである劉鳳と出会い、互いにライバルとして成長していく様子が描かれています。彼らの戦いは単なる力比べに留まらず、信念や正義といったテーマが深く絡み合い、様々な形で変化していきます。

登場人物

主要キャラクターには、カズマ、劉鳳、そして由詑かなみがいます。カズマは16歳の少年で、何者かに支配されない強い意志を持っており、時に自分勝手な行動をとることがありますが、内心では優しさを忘れない存在です。劉鳳は17歳のホーリー隊員であり、自身の正義を貫こうとする彼の姿勢は、多くの困難に直面しながらも一貫しています。また、かなみはカズマの大切な存在で、彼の成長に深く関わっていきます。

作品に登場するキャラクターたちは、それぞれ異なる背景や性格を持ち、人間ドラマが描かれています。特に、ホーリー隊員やネイティブアルターの存在が描かれることで、物語はより深みを増していきます。友人や敵との関係が物語の核心を成す場面も多く、一つ一つの戦いがカズマと劉鳳の成長に繋がっていきます。

アルター能力

本作の重要な要素であるアルター能力は、特にロストグラウンドで生まれる新生児に見られます。この能力は様々な形態に分けられ、それぞれが使い方や性質を持ちます。カズマや劉鳳のアルター能力は、物語の中で進化し、彼らが成長する過程を象徴しています。能力の制御や深化を通じて、二人の絆や成長が更に強調されていきます。

まとめ

『スクライド』は、単なるバトルアクション作品ではなく、キャラクター同士の内面や生き様を描いた深いドラマを持ったシリーズです。物語の進行と共に成長していくキャラクターたちの背中を追いながら、多様なテーマに触れることができる、多くのファンによって愛され続ける作品です。

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