スケアウェア

スケアウェアは、ユーザーの不安を煽り、金銭や個人情報を詐取することを目的とした悪質なソフトウェアの一種です。その語源は、「怖がらせる」という意味の英語「scare」と「ソフトウェア」を組み合わせたものです。

スケアウェアの手口

スケアウェアは、あたかもセキュリティソフトであるかのように装い、ユーザーのコンピュータに侵入します。その侵入経路は様々で、コンピュータウイルスやトロイの木馬に感染した際に同時に侵入したり、インターネット広告を通じてユーザー自身がインストールしてしまうケースがあります。インストール後は、あたかもセキュリティ上の脅威や違法なコンテンツが検出されたかのような偽の警告を表示します。そして、「問題を解決するため」と称して、ソフトウェアの購入や個人情報の入力を要求します。

しかし、多くの場合、これらのスケアウェアは、実際にはセキュリティ上の問題を解決する機能はほとんど、あるいは全く持っていません。単にユーザーを脅し、金銭を騙し取ることを目的とした詐欺ツールなのです。また、近年ではランサムウェアの要素を併せ持つスケアウェアも出現しています。これらのスケアウェアは、ユーザーのファイルを勝手に暗号化し、復元するためにソフトウェアの購入を強要します。

スケアウェアの脅威

セキュリティ企業マカフィーの調査によると、2010年11月には、マルウェア全体の23%がスケアウェアであったと報告されています。この割合からも、スケアウェアがサイバー犯罪者にとって重要な収入源となっていることが伺えます。サイバー犯罪者たちは、スケアウェアによって年間数億ドルもの利益を得ているとされています。

スケアウェアの対策

スケアウェアの被害を防ぐためには、以下の対策を講じることが重要です。

ポップアップ広告のブロック: 予期せぬポップアップ広告が表示された場合は、安易にクリックしないようにしましょう。ブラウザの設定でポップアップ広告をブロックすることも有効です。
信頼できないサイトからのソフトウェアダウンロードを避ける: 出所が不明なソフトウェアや、正規のサイトではないサイトからソフトウェアをダウンロードすることは避けましょう。
セキュリティソフトの利用: セキュリティソフトを導入し、常に最新の状態に保つことで、スケアウェアの侵入を未然に防ぐことができます。
OSやソフトウェアの更新: ソフトウェアやOSを常に最新の状態に保つことで脆弱性を解消し、スケアウェアの侵入を防ぐことができます。

サポート詐欺の登場

2012年頃からは、「サポート詐欺」と呼ばれるスケアウェアの手口も登場しました。これは、ウェブブラウザに「お使いのコンピュータに問題が発生しました」などと警告を表示させ、サポート窓口を騙る電話番号に連絡するように促すものです。電話をすると、有償サポート契約を結ぶことを強要され、リモートデスクトップツールをインストールするように指示されます。しかし、実際にはサポートは行われず、金銭だけを騙し取られてしまうことがほとんどです。

サポート詐欺も、スケアウェアと同様に、ユーザーの不安を煽り、金銭を騙し取ることを目的としています。不審な警告が表示された場合は、安易に電話をかけたり、個人情報を入力しないようにしましょう。

スケアウェアは、日々巧妙化しており、その手口も多様化しています。常に最新のセキュリティ情報を収集し、適切な対策を講じることで、スケアウェアの被害から身を守ることが重要です。

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