スケルトン (外殻)

スケルトンとは

スケルトン（skeleton）とは、英語で「骨格」を意味し、通常は不透明な素材で作られるべき製品の筐体の一部、または大部分を、切除するか透明な素材に置き換えることで、内部機構が見えるようにした外殻構造のことを指します。この構造が、内部機構を骨格に見立てたことから「スケルトン」という名称が用いられるようになりました。

発祥

スケルトン構造の起源は、高級懐中時計に遡ります。文字盤や裏蓋の一部、または大部分を切り抜き、そこにガラスを嵌め込むことで、精巧な内部機構が動く様子を鑑賞できるようにした特殊なモデルが誕生しました。このモデルが「スケルトン」と呼ばれたのは、構造上残された本来の文字盤や外殻が、まるで骸骨のように見えることに由来します。それは、「肋骨越しに時計の内臓を見ている」という感覚に似ていたのです。

トランスルーセントとの違い

合成樹脂の技術が進歩すると、外殻全体を一体成型の透明素材で作ることが可能になりました。このような外殻を持つモデルは、「骸骨・骨格」と見なせる部分が存在しないため、「トランスルーセント（translucent）」、つまり「半透明」と呼ばれ、本来のスケルトン構造とは区別されます。

本来の意味でのスケルトン構造は、製作に手間がかかるため、ごく一部の高級品にしか用いられません。現在、市販されている「スケルトンモデル」の多くは、実際にはトランスルーセントモデルです。腕時計や懐中時計など、比較的安価な製品にもスケルトンモデルとして販売されているものがありますが、それらのほとんどがトランスルーセント構造です。

スケルトンモデルの魅力

スケルトンモデルの魅力は、その複雑な内部機構を直接見ることができる点にあります。歯車やテンプなどの部品が連動して動く様子は、まるで生命が宿っているかのようです。また、そのデザイン性の高さから、ファッションアイテムとしても人気があります。

まとめ

スケルトン構造は、その名の通り、まるで骨格のように内部機構を露わにするデザインです。高級懐中時計から始まったこの構造は、現在では様々な製品に応用されています。しかし、安価な製品ではトランスルーセント構造であることが多く、本来のスケルトン構造を見ることができるのは、一部の高級品に限られます。製品を選ぶ際には、その構造をよく確認することが大切です。

関連用語

トランスルーセント：光を透過するが、物体をはっきりと見通せない状態のこと。
シースルー：物体を透かして見ることができる状態のこと。

もう一度検索