スコットランド国立美術館

スコットランド国立美術館：エディンバラの芸術の中心地

スコットランドの首都エディンバラに位置するスコットランド国立美術館は、新古典主義様式の見事な建築が目を引く国立美術館です。エディンバラ中心部のマウンドと呼ばれる丘陵地帯に建ち、1859年の開館以来、スコットランドそしてヨーロッパの美術史を彩る数々の名画を収蔵しています。

美術館の建物は、スコットランド人建築家ウィリアム・ヘンリー・プレイフェアによる設計で、1859年の開館後も、1912年には隣接する王立スコットランド・アカデミーとともに改築工事が行われています。この改築は建築家ウィリアム・トマス・オルドリーヴによって実施され、スコットランドとヨーロッパの美術作品を常設展示する空間が整備されました。

美術館のコレクションの中核をなすのは、王立スコットランド・アカデミーから移管された絵画です。ヤコポ・バッサーノ、アンソニー・ヴァン・ダイク、ジョヴァンニ・バッティスタ・ティエポロなど、巨匠たちの傑作が鑑賞できます。これらの作品は、スコットランド美術史における重要な位置を占め、美術館の誇るべき財産となっています。興味深いことに、1903年以降、スコットランド国立美術館は独自の絵画購入補助金を受けていません。コレクションの充実には、寄付やその他の資金調達に頼っているという点も、この美術館の歴史を語る上で重要な要素です。

美術館は絵画コレクション以外にも、充実した研究施設を備えています。初期ルネサンスから19世紀後半までの版画やデッサンなど、3万点以上の貴重な紙資料が収蔵された研究施設は、美術史研究者にとって貴重な資源となっています。さらに、1300年から1900年までの文献、日誌、スライド、マイクロフィルムなどを含む約5万点の資料を所蔵する学術図書館も公開されており、スコットランド国立美術館のコレクション、展示会、歴史に関する貴重な文書も閲覧可能です。一般公開されている学術図書館は、研究者のみならず、美術に関心のある一般の人々にとっても貴重な情報源となるでしょう。

2004年には、「プレイフェア・プロジェクト」と呼ばれる大規模な改修工事が完了しました。このプロジェクトでは、スコットランド国立美術館と王立スコットランド・アカデミーを地下で結ぶウェストンリンクが設置され、講義室、研究施設、ショップ、レストラン、そしてタッチスクリーン仕様の仮想コレクションギャラリーなどが併設されました。この近代的な通路の設置によって、両施設間のアクセスが向上し、来館者の利便性が格段に向上しています。

ウェストンリンクの設置によって、美術館とアカデミーの建物間に近代的な広場が誕生しました。この広場からはエディンバラ城やプリンセス・ストリートなど、エディンバラの街並みを一望できます。美術館を訪れる際には、この広場からエディンバラの景色を楽しむのも良いでしょう。

スコットランド国立美術館は、その貴重なコレクション、充実した研究施設、そして美しい建物によって、スコットランドのみならず、世界中の美術愛好家にとって魅力的な場所となっています。エディンバラを訪れる際は、ぜひ足を運んで、スコットランドの豊かな芸術文化に触れてみてください。

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