ススワタリ

ススワタリの正体とその特徴

ススワタリ（煤渡り）とは、スタジオジブリ制作の映画『となりのトトロ』及び『千と千尋の神隠し』に登場する妖精の一種であり、付喪神とされている存在です。映画の中では「まっくろくろすけ」という名称でも知られ、特徴的な外見と性質を持っています。

『となりのトトロ』におけるススワタリ

『となりのトトロ』において、ススワタリは黒くて丸い毛玉状の体を持ち、子供のこぶし程の大きさです。二つの目がその中央に位置しており、形状は「ケサランパサラン」と似ています。作中での描写には、彼らの特徴を引き立てるためのイメージイラストも存在し、胴体や脚が付いている場合もあります。

物語の中心人物であるサツキとメイ、そして彼らの父タツオが古い家に引っ越すことになりますが、ススワタリはその家の中に大群で住み着いています。サツキたちが掃除を行い、日光が差し込むようになると、ススワタリは暗い2階の壁の隙間に潜んでいました。物語の舞台となる場所では、ススワタリに関する言い伝えがあり、彼らは住居をほこりだらけにしてしまう存在として知られています。

サツキとメイがススワタリの気配を感じつつ2階へ上がった際には、手足が真っ黒になってしまいます。この様子を見た隣家の大垣家のおばあちゃんは、「こりゃススワタリが出たな」と直感し、「妖怪ですか？」との問いに、「そんなにおそろしげなもんじゃねえよ」と笑いながら答えます。彼女は自らも子供の頃にススワタリを見ていた経験を共有しています。このようにススワタリは不思議で無害な存在として描かれていますが、人間と積極的に共存するわけでもなく、自然にその姿を消してしまうことが多いようです。

実際、ススワタリはその日の夜に、トトロの住む塚森へとゆっくり飛び去っていきます。また、映画中の「まっくろくろすけ」という言葉は、実はススワタリとは別のキャラクターを指しており、タツオが言う「明るい所から急に暗い所に入ると、目がくらんで『まっくろくろすけ』が出るのさ」という言葉から、サツキとメイはススワタリのことをそう呼び始めました。

由来と音声

ススワタリの鳴き声「ワキャッ!」は、アフリカに住むピグミーの声をサンプリングしたもので、音楽家の久石譲によって作成されています。この音声は、キャラクターに独特の雰囲気を与える重要な要素となっています。

『千と千尋の神隠し』におけるススワタリ

異なる映画『千と千尋の神隠し』においてもススワタリは登場しますが、こちらは少し異なる姿態をしています。魔女・湯婆婆が経営する「神様のお湯屋」で、ボイラー担当の釜爺のもとで働いているススワタリたちは、クモのような細い手足を持ち、石炭などの小さな物を運ぶことができます。彼らは主にボイラー周りの下働きを行い、食事は金平糖を好むとされています。

まとめ

ススワタリはスタジオジブリの映画の中で、特異なキャラクターとして愛されています。彼らは物語の進行において、主人公たちと共に不思議な体験を共有し、作品の魅力を引き立てる存在として機能しています。

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