スズキ・蘭

スズキ『蘭』：80年代を彩ったスクーター

スズキが1983年1月から販売を開始したスクーター型原付バイク『蘭』は、当時79,000円の価格で発売されました。このバイクの最大の特徴は、なんといってもその愛らしいデザインと、元キャンディーズの伊藤蘭さんを起用したキャッチーなテレビCMです。西口久美子さんが歌うCMソング「蘭 咲きました」も話題となり、多くの若者の心を掴みました。

モデルバリエーションとスペック

『蘭』は、販売期間中にいくつかのモデルチェンジが行われ、様々なグレードがラインナップされました。主なモデルとエンジンスペックは以下の通りです。

CA11Aエンジン搭載モデル

CF50 / CF50D / CF50DG (1983年): 発売当初のモデル。CF50がベースモデルで、CF50Dが上位モデル、CF50DGがカスタムモデルという構成でした。
CF50-2 / CF50D-2 / CF50DG-2 (1984年): マイナーチェンジ版。細かな改良が加えられています。

CA17Aエンジン搭載モデル

CF50DG-3 / CF50DC-3 / CF50DC-3L (1985年): エンジンがCA17Aへと変更されました。CF50DC-3Lはパステルカラーが特徴です。
CF50DC-4 (1986年): さらなる改良が加えられたモデル。
CF50DCJ (1988年): 最終モデル。

グレードの種類

『蘭』には、以下のグレードが存在しました。それぞれにデザインや装備に違いがあり、消費者のニーズに合わせた選択肢が提供されていました。

50「デラックス」: ベーシックモデル。
50D「スーパーデラックス」: デラックスモデルより充実した装備を持つ上位モデル。
50DG「カスタム（ソリッドカラー）」: ソリッドカラーが特徴のカスタムモデル。
50DC「ハイカスタム（メタリックカラー）」: メタリックカラーを採用した、より高級感のあるモデル。
50DC-L「ハイカスタム（パステルカラー）」: パステルカラーが特徴のハイカスタムモデル。

資料

『蘭』に関する資料は、スズキのサービスガイドやパーツカタログに詳細な情報が記載されています。これらの資料は、当時のバイクの仕様やメンテナンス方法を知る上で貴重な情報源となります。具体的には以下の資料が挙げられます。

SUZUKIサービスガイド「蘭（CA11A）」1982年12月
SUZUKIサービスガイド「蘭（A-CA11A）」1985年4月
SUZUKIパーツカタログ「蘭（CA11A）CF50」1982年12月
SUZUKIパーツカタログ「蘭（CA11A）CF50/CF50D/CF50DG/CF50D-2/CF50DG-2」1984年5月
SUZUKIパーツカタログ「蘭（CA17A）CF50DG-3/CF50DC-3」1985年4月
SUZUKIパーツカタログ「蘭（CA17A）CF50DC-3L」1985年8月
SUZUKIパーツカタログ「蘭（CA17A）CF50DG-3/CF50DC-3/CF50DC-4」1986年12月
SUZUKIパーツカタログ「蘭（CA17A）CF50DG-3/CF50DC-3/CF50DC-4/CF50DCJ」1988年6月

まとめ

スズキ『蘭』は、魅力的なデザインとCM戦略によって、多くの支持を集めたスクーターでした。様々なモデルバリエーションと、当時としては充実した装備は、多くのユーザーに快適な移動手段を提供しました。 現在では、レトロなデザインと希少性から、コレクターアイテムとしても注目を集めています。 当時の資料を参考に、その歴史と魅力を改めて振り返ってみませんか？

もう一度検索