スズキ・DR250S

スズキDR250シリーズ：オフロードバイクの進化と多様な展開

スズキが長年にわたって製造・販売してきたオフロードバイク、DR250シリーズ。その歴史は1982年にさかのぼります。本記事では、DR250シリーズの系譜をたどり、各モデルの特徴や、派生モデル、そしてメディアへの登場などについて詳細に解説します。

初代DR250S（SJ41A）: 時代の先駆け

1982年、ホンダXL250、ヤマハXT250、カワサキKL250といったライバル車に対抗すべく、スズキは初の4ストローク250ccデュアルパーパスモデルとしてDR250S（SJ41A）を発売しました。当時としては画期的だったフルフローター式サスペンションや、新設計のSOHC4バルブエンジンを搭載。軽量コンパクトな車体は、人気モデルだったXL250Rと比較されることもありましたが、デザイン面では賛否両論ありました。同年には排気量125ccの弟分、DR125Sも登場しています。輸出仕様として、エンデューロモデルのDR250／SP250も展開されました。

2代目DR250S（SJ44A）: エンデューロモデルからの転身

1990年、初代モデルとは全く異なる2代目DR250S（SJ44A）が登場しました。このモデルは、ホンダXR500R/XR350Rの開発に携わったアル・ベイカー氏を迎え入れ、開発されたエンデューロモデルDR350の公道バージョンであるDR350S（349cc）をベースに、エンジン排気量を249ccに抑えたモデルでした。高耐久性のエンジンとフレームが特徴でしたが、同クラスの他車と比べると重量があり、オフロードでの評価は必ずしも高くなかったとされています。その後、油圧式車高調整機能を搭載したDR250SH、セルスターター搭載のDR250SHE、そして大径丸型ライトを装備したDR250SEP「DJEBEL（ジェベル） SE-1」など、バリエーションモデルが追加されました。輸出仕様として、DR350とエンジン以外の構成がほぼ同一のエンデューロモデルDR250も存在しました。

3代目DR250R（SJ45A）: 軽量化と高性能化

1995年に登場した3代目DR250R（SJ45A）は、DR350の後期モデルのトランスミッションと前後ホイールのみを共用し、その他のパーツはほぼ一新されました。ドライサンプからウェットサンプへの変更、メッキシリンダーの採用、アルミスポークニップルの採用などにより軽量化が図られ、キャブレターも負圧式から強制開閉フラットバルブ式に変更。これにより、前モデルで課題となっていた「重たい」「非力」といった点を改善しました。兄弟車としてDJEBEL（ジェベル）XC、輸出用エンデューロモデルのDR-Z250がラインナップされました。

エンジンと派生モデル

DR250シリーズのエンジンは、他のスズキ車にも広く採用されました。SJ41A系エンジンはGN250E、NZ250、ボルティーなど、SJ44A系エンジンはグース250/350、四輪ATVのLT400などに搭載されました。また、スカイウェイブ250/400にも、改良を加えた同系列エンジンが搭載されています。

メディアへの登場

DR250Sは、1994年放映の特撮番組『ブルースワット』に登場する追跡・戦闘用モーターサイクル「CV-02 インターセプター」、同年公開の映画『仮面ライダーJ』に登場する仮面ライダーJの専用バイク・ジェイクロッサーのベース車両として使用されました。

まとめ

DR250シリーズは、長年にわたる改良と進化を経て、多様なモデルを生み出しました。その過程で培われた技術は、他のスズキ車にも受け継がれ、スズキのバイク史に大きな足跡を残しています。様々なモデルが登場した背景、各モデルの個性、そしてメディアへの登場など、多角的な視点から、DR250シリーズの魅力を改めて振り返ることができました。

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