スズキ・GS125E

スズキGS125E：スポーティな走りと扱いやすさを両立した名車

スズキGS125Eは、1982年夏に発売された小型自動二輪車です。兄貴分であるGN125Eとは異なるコンセプトで開発され、「ヨーロピアンスポーツ」を標榜。ビキニカウルやアンチノーズダイブ機構などの装備により、GN125Eとは一線を画す存在感を示しました。発売当初は「GS125Eカタナ」という名称でしたが、のちに「カタナ」の名称は外れ、GS125Eとして販売が継続されました。

兄弟車GN125Eとの違い

GS125Eは、アメリカンスタイルのGN125Eとは対照的に、スポーティなヨーロピアンテイストのデザインが特徴です。GN125Eが「和製アメリカン」と評されたのに対し、GS125Eは洗練されたヨーロッパ風のスタイリングで、若者を中心に人気を集めました。特に、ビキニカウルは当時のトレンドを反映しており、スポーティな印象をさらに強めています。

デザインと装備

GS125Eのデザインは、GS650Gをモチーフとしており、GSX400/250Eカタナとは異なる独自のスタイルを確立しています。最小排気量ながら、カタナシリーズの一員として、精悍なスタイルを誇っていました。コンパクトな車体ながら、長距離走行も可能な12リットルの燃料タンクを備え、経済性にも優れています。

エンジンは、スズキ独自のS.T.D.C.C.方式の2球形燃焼室を持つエンジンを搭載。フルトランジスタのP.E.I.点火方式を採用し、スムーズな始動性と安定した走行を実現しています。メーターボックスにはギヤポジションインジケーターが装備されており、走行中のギア確認も容易です。さらに、スズキ独自のアンチノーズダイブ機構「ANDF」を搭載したフロントフォークにより、優れたブレーキ性能と操縦安定性を両立しています。

走行性能と取り回し

GS125Eは、癖のない素直なハンドリングと優れた経済性を両立させています。軽量な車体と低燃費により、長距離走行も快適に行えます。自然なライディングポジションは、長時間の走行でも疲れにくく、快適なライディングを提供します。初心者でも扱いやすい、優れた取り回しの良さが特徴です。

モデルバリエーションと歴史

GS125Eは、1982年の発売以降、幾度かのモデルチェンジを経て1994年まで生産されました。主な変更点は、ボディカラー、ヘッドライト、エアクリーナー、マフラー、キャブレター、ブレーキスイッチ、電気回路など多岐に渡ります。最終モデルであるGS125ESRでは、常時点灯式ヘッドライトやプッシュキャンセル式ウインカーなどの装備が追加され、使い勝手が向上しました。

まとめ

GS125Eは、スポーティなデザインと扱いやすさを兼ね備えた、優れた小型自動二輪車でした。経済性と長距離走行の快適性を両立させ、幅広いライダーに支持されたモデルです。現在では生産終了していますが、その高い完成度と魅力的なデザインから、中古車市場でも根強い人気を誇っています。 スズキの歴史において重要なモデルの一つとして、多くのライダーに記憶されているでしょう。

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