スズキ・GSX-S

スズキGSX-Sシリーズ：ストリートとスポーツの融合

スズキのGSX-Sシリーズは、同社の伝統的なGSXシリーズ、そしてレーサーレプリカ/スーパースポーツのGSX-Rシリーズをルーツとするオートバイシリーズです。シリーズ名に冠された『S』は「ストリート」と「スポーツ」を象徴しており、その名の通り、高い走行性能と街乗りでの扱いやすさを両立したモデル群となっています。

GSX-S1000：進化を続けるフラッグシップモデル

GSX-Sシリーズの代表格であるGSX-S1000は、2014年のインターモトで発表されました。1000ccエンジンは、GSX-R1000のエンジンをベースに改良を加え、低回転域での扱いやすさと力強い加速を両立。軽量なアルミフレームと、GSX-R譲りのスイングアームを採用することで、優れたハンドリングを実現しています。

2017年にはマイナーチェンジを実施。エンジン出力の向上やスリッパークラッチの追加など、性能が強化されました。そして2021年にはフルモデルチェンジを行い、新型エンジンと最新の電子制御システムS.I.R.S.（スズキ・インテリジェント・ライド・システム）を搭載。S.I.R.S.は、3つのモードから選択できるパワーモードセレクター、5段階調整可能なトラクションコントロールシステム、双方向クイックシフトシステムなどを含みます。デザインも一新され、スズキ二輪車初となるモノフォーカスタイプのLEDヘッドライトを採用するなど、大幅な進化を遂げました。

フルモデルチェンジと同時に、従来のGSX-S1000Fの後継として、よりツーリング性能に特化したGSX-S1000GTが登場。6.5インチのフルカラーTFT液晶メーターや空力性能に優れたカウルなどを装備し、快適な長距離走行をサポートします。さらに、海外ではより長距離走行に特化したGSX-S1000GT+も展開されています。2023年には、スポーツツアラーとアドベンチャーの要素を融合したGSX-S1000GXが発表されました。スズキ初採用の電子制御サスペンションS.A.E.S.（スズキアドバンスドエレクトロニックサスペンション）を搭載し、高度な走行安定性と快適性を両立しています。2025年モデルでは、カラーバリエーションの追加と5インチカラーTFT液晶メーターへの変更が施されました。

GSX-S750：バランスの取れたミドルクラスモデル

GSX-S750は、750ccエンジンを搭載したモデルです。GSX-R750のエンジンをベースに、日本の環境規制に適合。GSX-S1000と同様のデザインを採用し、扱いやすさとスポーティさを両立しています。トラクションコントロールシステムやローRPMアシストを搭載し、高い安全性能も確保。滑らかな走りで快適なライディングを実現します。2017年に日本市場で発売されましたが、排ガス規制強化のため2022年以降は販売終了となりました。

GSX-S125：軽量で扱いやすいエントリーモデル

GSX-S125は、125ccエンジンを搭載したモデルで、2016年のミラノショーで発表。欧州ではA1ライセンス所持者向けの入門モデルとして人気を博しました。GSX-S1000同様のデザイン、スズキイージースタートシステム、ABSを装備。小柄な車体と扱いやすいエンジン特性により、初心者にも最適な一台です。2017年に日本市場で発売され、2022年には平成32年排出ガス規制に対応したモデルチェンジを実施しました。

まとめ

GSX-Sシリーズは、1000ccから125ccまで幅広い排気量と、様々なモデルバリエーションを展開。それぞれのモデルが、ストリートでの扱いやすさとスポーツライディングの楽しさを高いレベルで融合させています。電子制御技術の進化も著しく、安全性能、快適性の向上にも貢献しています。ユーザーの多様なニーズに応える、充実したシリーズと言えるでしょう。

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