スズキ・GSX400Sカタナ

スズキ GSX400Sカタナ：1990年代を彩った名車

スズキが1992年から1999年にかけて製造・販売していたGSX400Sカタナは、同社のロードスポーツモデルとして高い人気を誇りました。特徴的なのは、そのスタイリングです。1980年代前半に一世を風靡したカタナシリーズのデザインコンセプトを継承しつつ、400ccクラスのロードスポーツとして洗練されたフォルムを実現しています。兄弟車として、250ccクラスのGSX250SSカタナ（1991年発売）や、1100ccクラスのモデルも存在し、幅広い排気量でカタナシリーズが展開された時代背景を象徴する一台と言えるでしょう。

GSX400Sカタナは、単に排気量を小さくしただけのモデルではありませんでした。GSX1100Sを彷彿とさせるシャープなラインと、力強いシルエットは、多くのライダーの心を掴みました。当時としては先進的なデザインと、扱いやすい400ccエンジンは、初心者からベテランライダーまで幅広く支持された理由でしょう。

カラーバリエーションは時代と共に変化しました。発売当初の1992年にはブライトシルバーメタリックとデューングレイメタリックの2色がラインナップされ、1995年もこの2色が継続されました。1998年にはブライトシルバーメタリックのみとなり、最終生産年の1999年もこの色が採用されました。時代の流れと共にカラーリングはシンプルになっていったことがうかがえます。

GSX400Sカタナの登場は、スズキのバイクラインナップにおいて大きな意味を持ちます。それまでのカタナシリーズは、主に大排気量車に採用されていましたが、GSX400Sカタナは、より多くのライダーにとって手の届く範囲にカタナデザインのバイクを提供したと言えます。その結果、カタナシリーズ全体の認知度向上にも貢献したと言えるでしょう。

また、このモデルは様々なメディアにも登場しました。有名なところでは漫画『ばくおん!!』において、主人公の鈴乃木凜の愛車として描かれています。フィクションの世界でもその存在感を見せつけている点は注目に値します。

GSX400Sカタナは、1999年をもって生産終了となりましたが、現在でも中古車市場で人気が高く、多くのファンに愛され続けています。その洗練されたデザインと扱いやすいエンジン、そしてカタナシリーズの歴史を継承した存在感から、今後も多くのライダーを魅了し続けることでしょう。シャープなラインと力強いシルエットは、現代のバイクデザインにも影響を与えていると言えるでしょう。

主な歴史

1991年：姉妹車であるGSX250SSカタナ発売
1992年：GSX400Sカタナ発売（ブライトシルバーメタリック、デューングレイメタリック）
1995年：カラーリング継続（ブライトシルバーメタリック、デューングレイメタリック）
1998年：カラーリング変更（ブライトシルバーメタリックのみ）
1999年：生産終了
2000年：販売終了

関連モデル

スズキ・カタナシリーズ（GSX1100S、GSX750Sなど）
スズキ・GSX250SSカタナ
* スズキ・GSX400E（後期型に「カタナ」サブネーム）

GSX400Sカタナは、単なるオートバイではなく、1990年代のスズキ、そして日本のバイク文化を象徴する一台と言えるでしょう。その存在感は、現在でも多くの人の記憶に深く刻まれています。

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