スズキ・T

スズキTシリーズ：1960～70年代を彩った名車群

スズキがかつて製造・販売していたオートバイシリーズ「Tシリーズ」は、125ccから500ccまで幅広い排気量をカバーするモデル群として知られています。1960年代後半から1970年代前半にかけて生産され、その力強い走りと個性的なデザインで多くのライダーを魅了しました。本稿では、Tシリーズの主要モデルと、その特徴を詳細に解説します。

主要モデル一覧

125ccクラス

T125 (1967年発売): Tシリーズのエントリーモデルとして、軽快な走りを提供しました。125ccクラスながら、スズキ独自の技術が凝縮された一台でした。

200ccクラス

T200 (1967年発売): 200ccクラスのモデルで、T125の上位機種として位置づけられました。扱いやすさとパワーのバランスがとれた、人気のモデルでした。

250ccクラス

T20 (1965年発売): 250ccクラスの初期モデル。後のTシリーズの基礎となった重要なモデルです。輸出仕様として人気を博しました。
T21 (1966年発売): T20をベースに国内仕様向けに改良されたモデル。輸出仕様のT20を国内市場に適合させた点が特徴です。
T250 (1967年発売): T21の性能を継承しつつ、名称を変更して発売されました。
T250-Ⅱ (1969年発売): T250のデザインを改良したモデル。性能はT250を踏襲しつつ、より洗練された外観となりました。
T250-Ⅲ (1970年発売): T250-Ⅱの後継モデル。更なる改良が加えられ、完成度を高めました。

305ccクラス

T305: 国外専用モデルとして販売されました。日本国内での販売は行われていませんでした。

350ccクラス

T350 (1969年5月発売): T250をベースに排気量を拡大したモデル。T250と500ccモデルであるT500の中間を埋める存在として、当初は輸出専用でしたが、後に国内販売も開始されました。
T350-Ⅱ (1970年発売): T350のモデルチェンジ版。性能とデザインの向上を図っています。

500ccクラス

T500 (1968年発売): Tシリーズのフラッグシップモデル。大排気量ならではの力強い走りと、存在感を放つデザインが特徴でした。
T500-Ⅱ (1968年発売): T500の改良版。細かな改良が施されています。
T500-Ⅲ (1970年発売): T500-Ⅱのマイナーチェンジモデル。更なる熟成が図られています。

Tシリーズ関連車種

Tシリーズをベースに、スクランブラーモデルも展開されました。

TC200 (1967年発売): T200をベースとしたスクランブラーモデル。オフロード走行も可能な仕様となっています。
TC250 (1967年発売): T250をベースとしたスクランブラーモデル。悪路走破性を高めたモデルです。
TC305: 詳細不明。

Tシリーズと後継モデル

Tシリーズは、スズキのオートバイ史において重要な役割を果たし、後のGTシリーズへとその系譜を受け継いでいます。GTシリーズは、Tシリーズの技術とデザインを進化させたモデル群として高い人気を博しました。

まとめ

スズキTシリーズは、多様な排気量とモデルバリエーションで、多くのライダーに愛されたオートバイシリーズでした。その高い性能と個性的なデザインは、日本のオートバイ史に大きな足跡を残しています。それぞれのモデルの細かな仕様や歴史を探求することで、Tシリーズの魅力をより深く理解できるでしょう。 本稿が、Tシリーズを理解する一助となれば幸いです。

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