スタイルガイド

スタイルガイドとは

スタイルガイド（スタイルマニュアル、スタイルブック）は、文書や出版物における書き方、書式、統一された言葉遣い、デザインなどに関する一連の基準や手引きのことです。スタイルマニュアルと呼ばれることもあり、短いものはスタイルシートと呼ばれることがあります。

スタイルガイドの目的

スタイルガイドは、文書内および文書間の一貫性を確保し、コミュニケーションを改善することを目的としています。具体的には、句読点、大文字と小文字の使い分け、出典の引用方法、数字や日付の書式、表の体裁など、様々な要素に関する基準を定めます。また、文体、用法、言語構成、構図、正書法、タイポグラフィなど、特定のベストプラクティスを推奨することも重要です。

学術文書や技術文書においては、倫理（オーサーシップ、研究倫理、情報開示など）や技術・規制の遵守を徹底するために利用されることもあります。翻訳においては、一貫した文法、語調、単位など、ローカライズされた表現を維持するために役立ちます。

スタイルガイドは、一般的な読者向けのものから、学術分野、医学、ジャーナリズム、法律、ビジネス、特定の業界など、専門的な分野に特化したものまで、様々な種類が存在します。

スタイルガイドが規定する事項

スタイルガイドは、主に以下の内容を規定します。

マークアップの仕様: 本の題名の表記（斜体にするかなど）、数字や日付の表記法、文献引用の作法など
文体: 単語の綴り、句読法、時制、文末表現（「です・ます調」または「だ・である調」）など
タイポグラフィ: 空白や活字などに関する要素
命名法: 特定の科学技術分野において、明確で標準化された名称や分類ラベル（分類学、化学命名法、遺伝子命名法など）
使用法: 人種差別、性差別、同性愛嫌悪などを避けるための記述用語の提案
アクセシビリティ: 視覚障害、運動障害、その他の障害を持つ読者への配慮

ウェブサイトのスタイルガイド

ウェブサイトのスタイルガイドは、主に外観や技術的な側面に関するスタイルを規定します。デジタル環境においては、画面読み取りを考慮した規約が重要になります。ウェブスタイルガイドは、ユーザーエクスペリエンスを重視し、簡潔さ、用語、構文、トーン、構造、タイポグラフィ、グラフィック、エラーなどに関する一貫性を保つことを目指します。

主要なスタイルガイド

アメリカ合衆国

シカゴ・スタイルマニュアル
MLAスタイルマニュアル
APAスタイル
合衆国政府印刷局（USGPO）スタイルマニュアル
AP通信スタイルブック
ニューヨーク・タイムズ文体・用法マニュアル
米国社会学会スタイル
ブルーブック（法律分野）

イギリス

New Oxford Style Manual
A Dictionary of Modern English Usage
MHRAスタイルガイド
オックスフォード法典引用基準（OSCOLA）（法律分野）

その他

カナディアン・プレススタイルブック
オーストラリア政府印刷サービス（AGPS）スタイル（政府出版物用）
統一投稿規定

日本

日本語のスタイルガイドは詳細なものが少ないですが、以下のような情報源があります。

日本エディタースクール『校正必携』
日本エディタースクール『日本語表記ルールブック』
共同通信社『記者ハンドブック 新聞用字用語集』
* 朝日新聞社『朝日新聞の用語の手引』

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